+ - 伊達 - ページ36
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あの日、4年に1度開催される大花火大会があるってことで、親に連れられてこの場所にやってきた。
暑いところも人混みも、昼寝をして起こされた後の俺にとって、苦痛以外の何ものでもなく、ずっと不機嫌だった。
でも、そんな俺の前に、わんわんと泣き叫びながら、必死に親を呼ぶ声が聞こえて、何故だか分からないが駆け寄った先にいたのが、Aだった。
迷子になっていたらしい彼女を、とりあえず俺の親の元に連れていくと、代わりに探してくるからって、俺たち2人になると、屋台で買ったりんご飴が目に付く。
‘ これ、あげる ’
“ ……けど、しらないひとに、もらったら、だめだって ”
‘ じゃあ、いまから、ぼくたちは、ともだちになろう ’
“ ともだち…？ ”
‘ うん。そうすれば、しらないひとじゃない。ともだちから、もらったってことになる ’
今思えば、割と強引な言葉だが、あの時の彼女を見ていると、ポロポロと零す涙を止めたくて、必死だったんだと思う。
“ ……わたし、あなたと、おともだちになって、いいの？ ”
‘ あたりまえだろ。もう、ぼくたちは、ともだちだ。
だから、あげる、これ ’
無理やり、彼女の小さい手にりんご飴を押し付けると、涙は零しているのに、何に対して喜んだのか、着物の袖で目元を拭い、笑みを見せてくれた。
『あの時、政宗くん、めちゃくちゃなこと言ってたよね、今思えば』
「それしか思い浮かばなかったんだ、仕方ない」
石段に座る俺たちは、もう小さかった頃の俺たちでは無い。
俺に背中を預け、寄りかかるAは、泣き虫だった頃が消え去ったくらい、強くて優しい女性になった。
だからこそ、俺の想いは、年を重ねることにどんどんと大きくなっていくし、彼女しか見れなくなっている。
「A」
『うん？』
「俺は、Aが好きだ。あの夏の日からずっと、Aしか見てこなかった。」
『…うん』
「だから、他に好きなやつが君にできても、俺は絶対に、諦めないと決めた。」
彼女は恐らく、他に好きなやつなんて居ないんだと思う。だけど、やっぱり不安な気持ちの方が大きい。
「君からきちんと、好きじゃないと言われるまで、言い続けたい。」
『……ん』
「どうしようもなく好きだ。
付き合ってくれ、A」
2回目の告白に、彼女はなんて答えるのか、きっとまた断られるのか、そう思った時、小さな声が俺の鼓膜を震わせた。
『────お願い、します』
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阿部葵(プロフ) - とても面白かったです!! 更新待ってます!! (7月13日 15時) (
レス) @page39 id: 9bdf52cb2f (このIDを非表示/違反報告)
菫蝶 - とても面白かったです！続き待ってます(*^^*) (2023年3月21日 17時) (レス) @page39 id: 33064cca65 (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます☺️ゆっくりでも更新してくれて嬉しいです!大大好きの作品なので最後の最後まで読み続けます！頑張ってください！応援してます😘 (2022年10月20日 16時) (レス) @page39 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - ゆっくりでも再開してくれて嬉しいです！！大好きな作品なので最後まで読み続けます！！ (2022年10月12日 17時) (レス) id: 6b85baa8bf (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - くそぉぉお！！！好きすぎるッ！！！！ニヤニヤしちゃうじゃんかこんなの！！！不可抗力！！ (2022年10月10日 21時) (レス) @page38 id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2022年9月4日 22時
