＊ ページ27
. 大河内side
「えっ、まさかとは思ってましたけど、本当に彼女に言ったんですか？」
神田警部補が、冠城の連絡で帰ったあと、時間をずらして現れた神戸は、驚いた顔でそう言った。
「ああ。悪いか」
「いや、悪くは無いですけど、大河内さん、そんなに自分の補佐官が欲しいんですか？」
「馬鹿言え、そんな訳ないだろ。」
「そうですか？けど、その様子を見せられちゃ、少なくとも僕はそう思いましたけどね」
飄々とした態度で、ワインを傾けながら言う奴を睨むと、わざとらしく肩を竦めた。
「…でも、実の所どう思ってるんです？
彼女、いいと思いますけど」
「そんな事、昔から知ってる。それに、前にも1度声をかけたことはある」
「へぇ〜、じゃあ2度も振られたって訳だ」
「2度とはなんだ、まだ1度だ」
「……え？2度じゃないんですか？てっきり、振られたのかと」
「それについては、私も驚いてるさ。
今まで、どんなに上から打診されても、杉下さんの元からは離れるつもりはありません、そう言っていた彼女が、保留にさせてくれ、なんて言うんだから」
「保留？！えっ、Aちゃんが本当にそれを言ったんですか？」
信じられない、と言うかのように目を見開く神戸を見ながら、自分と同じ反応をするんだな、と密かに思う。
「何かあったんですかね、彼女。今度、ご飯でも食べに行こうかな」
「そろそろ飽きてきたんじゃないか、特命係にも」
「後は、あの冠城亘から離れたい、とか。
それなら、僕が迷わず彼女を貰いますけど」
「神戸の所に行かすなら、こっちが先だ。」
「えぇ、そこは僕に譲ってくださいよ」
あの時、そう言った彼女は前と比べて複雑そうな顔になっていた。それを思い出し、グラスの中身を飲み干す。
「じゃあ、理由を話してくださいよ」
自分の願いが通らないと分かれば、理由を要求してくる神戸に、深くため息を着く。
「────これが、神戸、お前のところに行かせない理由だ。分かったか」
簡潔に説明をすれば、呆気に取られた顔をしているから、視線を逸らし、もう何も言うことがない、と態度を取る。
「あ、あぁ……なるほど」
「…なんだ」
「いや、大河内さんって、彼女の事、だいぶ気に入ってるんだなぁ、と」
そう言って、やけに気味の悪い笑みを浮かべた神戸は、協力しますよ、とか言っては追加のワインを2杯頼む。
その流れを眺めながら、彼女はどんな返答をするのか考えるのだった。
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㊙ - 更新されてないけど大丈夫ですか？楽しみにしてます (2022年7月31日 9時) (
レス) id: 6713e19a53 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 薫さんが戻って来たときの話をお願いします (2022年7月12日 13時) (レス) id: 674b34db47 (このIDを非表示/違反報告)
AΩ ?: ???????????????(プロフ) - 短編更新お疲れ様です😆🎵🎵 良かったです❤ (2022年6月25日 8時) (レス) @page31 id: 6bf6ff9524 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新ありがとうございます！相棒21 薫ちゃん帰って来ますね！❤ (2022年6月23日 19時) (レス) id: c46bde8163 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 長編の方が亀更新って短編も亀更新ですね (2022年5月28日 11時) (レス) id: d17a6483f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2022年3月9日 23時
