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「暇、なのかもしれない」
『…………えっ、それは、え、』
「半分嘘、半分本当だ。勘違いするな、私は私の仕事をきちんとこなしている。」
『知ってます。』
大河内さんには、大河内さんの信念があるから。暇なわけないと思うんだけど、なんでそんなことを?って聞こうとすれば、1枚の紙を出してきた。
「神戸と手を組んだ。君と、2人で話す場が欲しいと思ったからな。」
『うわっ………えっ、じゃあ私、尊さんに騙されてたんですか?せっかく、右京さん達と花の里で、美味しいご飯食べられてたかも知れないのに!?』
「だから、付き合わせて悪かったと言っただろう」
『あれ、そういう意味の悪かったなんですか?!!』
「それよりも、これを確認してくれ。」
いや、それよりもじゃないし。え、なにこれ、私騙されてたとかなんなの。もはや、花の里に行く権利さえ奪われるの?
もうなんか無茶苦茶だなぁ……って、大河内さんを軽く睨みながら、出された紙に目を通すと、大人しくそれを返した。
「まさか君が、元国会議員の藤堂幹恵の娘だとはな。」
『あれ、言ってませんでしたっけ』
「杉下さんと、あれだけの関係性になっているのは、藤堂一家殺害事件が関与しているのか」
『いや、違いますね。多分、時期的にもそれはないかと』
「では、何故、父方の名前を名乗っているんだ」
『それは、また狙われたりしたら嫌ですからね。ただでさえ、議員の方と関わるようになってしまったので、自分の身を守ろうかと。
それよりも、どうして監察官のあなたが、藤堂Aについて調べてるんです?私、神田ですけど。』
「私が、君をここに呼んだのは他でもない────」
頭の中は疑問でいっぱいの中で、大河内さんが追い打ちをかけるように言ったそれに、完全に思考回路が停止する。
『それ……あの、相手、間違ってませんか』
「いや?君であっているが」
『あ、そうですか……びっくりしすぎて、ちょっと理解が追いつかないな…』
「さっきから鳴ってる電話に出たらどうだ」
冷静な相手と、落ち着かない私。
傍から見たら、滑稽だなと思いつつ、控え目に鳴っているバイブ音を何とかするべく、大河内さんに断ってその場で確認すれば、冠城さんからだった。
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㊙ - 更新されてないけど大丈夫ですか?楽しみにしてます (2022年7月31日 9時) (レス) id: 6713e19a53 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 薫さんが戻って来たときの話をお願いします (2022年7月12日 13時) (レス) id: 674b34db47 (このIDを非表示/違反報告)
AΩ ?: ???????????????(プロフ) - 短編更新お疲れ様です😆🎵🎵 良かったです❤ (2022年6月25日 8時) (レス) @page31 id: 6bf6ff9524 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新ありがとうございます!相棒21 薫ちゃん帰って来ますね!❤ (2022年6月23日 19時) (レス) id: c46bde8163 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 長編の方が亀更新って短編も亀更新ですね (2022年5月28日 11時) (レス) id: d17a6483f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2022年3月9日 23時