* 万年筆 “ 杉×貴 ” ページ20
. 貴方side
バレンタインの1ヶ月後に、ホワイトデーがある。
過去最大で貰ったんじゃないかって程の、お菓子は全部施設に渡してきたし、どんな人なのかも分からないのに貰った花束は、燃えるゴミに捨てた。
え?心が無いのか?あげた人が可哀想??
────いや、心が無いっていうか、私が知ってる人からしか貰いたくないだけ。くれた人なんて、関わりないしなんとも思わない。
「あ、Aちゃん」
『……角田課長!お疲れ様です』
慶二くんに呼び出されて、久しぶりに外でご飯を食べて、特命係に戻ってくると、右京さんと談笑していた角田課長が、私を見るなり姿を消すと、また現れた。
「これ、この前のお礼。良かったら、冠城さんとでも食べてよ」
『え!わざわざありがとうございます…!
……あ、私、ここの洋菓子好きなんです。ふふっ、嬉しいなぁ』
「そうなの?良かった、気に入ってくれて。
いやぁ、そんなに喜んでくれるとは、何だかこっちまで嬉しくなるよ」
最近は、時間が合わなくて行けなくなったけど、昔よく買ってた洋菓子店の詰め合わせを貰って、いい気分になる。
すると、今度は右京さんが、あの優しい微笑みと一緒に細長い箱を差し出してきた。
「では、僕からはこれを」
『ありがとうございます!開けていいですか?』
「もちろん、気に入って頂けると良いのですが」
綺麗に包装されたそれを開けるのは、すごく勿体ない気がしたけど、出来る限り丁寧に開封すれば、最初に出てきたのは何かのチケット。
「ああ、それは、落語のチケットですよ。」
「落語?何だ、杉下、Aちゃんもハマったのか?」
「いえ、まだそこまででは。ただ、米沢さんに分かりやすく教えて貰っているようで、興味がかなり湧いてると言っていたのを思い出したものですから」
『これ、右京さんと一緒に行けるんですか?』
「Aさんの、ご都合があえば……」
『行きます!右京さんと行って、色々教えてもらいたいです!
しかも、この場所の近くに、最近発見した和菓子店があるんです。そこも一緒に行きましょう!』
右京さんと行けるなら、どんな場所でも嬉しい。そんな思いも込めて言えば、微笑んで、是非行きましょうか、って。
美術展に続いて、新しい予定が経った事による、嬉しさのままメインである細長い箱を開けると、そこには赤い布で包まれた、シンブルだけど存在感を示す万年筆が鎮座してた。
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㊙ - 更新されてないけど大丈夫ですか?楽しみにしてます (2022年7月31日 9時) (レス) id: 6713e19a53 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 薫さんが戻って来たときの話をお願いします (2022年7月12日 13時) (レス) id: 674b34db47 (このIDを非表示/違反報告)
AΩ ?: ???????????????(プロフ) - 短編更新お疲れ様です😆🎵🎵 良かったです❤ (2022年6月25日 8時) (レス) @page31 id: 6bf6ff9524 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新ありがとうございます!相棒21 薫ちゃん帰って来ますね!❤ (2022年6月23日 19時) (レス) id: c46bde8163 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 長編の方が亀更新って短編も亀更新ですね (2022年5月28日 11時) (レス) id: d17a6483f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2022年3月9日 23時