* 人気者 “ 特命係 ” ページ14
. No side ※季節外れのバレンタインネタ
日本には、女性が男性にチョコレートを渡し、想いを伝える、というイベントがある。そう、バレンタインだ。
その影に隠れて、男性が女性にチョコレートや花束を渡す、逆バレンタインも、近頃の日本では有名になりつつある。
………だが、警視庁と警察庁、他一部の間では、バレンタインと逆バレンタインが既に主流だった。それも、ある特定の人に対して。
そして遂に、この男もその洗礼を一日中受けることになるとは、考えてもいなかっただろう────
某日8:00
「おはようございます」
「おはようございます」
法務省から出向中の冠城が特命係に入ると、ちょうど上司でもある右京が、高々と紅茶をカップに注いでいるところだった。
お手製の木札をひっくり返し、席に着いた彼はこの部屋に1人足りないことに気付く。
「あれ、Aちゃんは?」
「おや、君、知らないのですか」
「何がです?」
「今日は、2月14日ですよ。彼女は既に出勤しているでしょうが、ここに来るには……そうですね、1時間はかかるでしょう」
右京の言葉に、今日がバレンタインだと言うことをわざとらしく思い出した冠城は、大袈裟に頷く。
「冠城くん、君、演技がわざとらしいですよ」
「えぇ?そうですか?」
「…あぁ、それと。
Aさんは、君が思っている以上にこの職場で人気です。今から、覚悟しておいた方がいいと思いますよ」
「人気って、そんな大袈裟な。僕だって、多少は貰ってましたよ」
「そうでしょうねぇ」
軽い自慢と捉えられたのか、じろりと見る右京に怯んだように見せかけると、呆れたようにヘッドホンをつけようとした為、冠城はキャスター付きの椅子を動かした。
「……あの、参考程度にお伺いしますけど、去年はどれくらいだったんですが」
「多少は貰っていた君が気になりますか」
「いや?そういう訳じゃないですけど、僕はこう見えて彼女の……ね」
「ハッキリと言ったらどうですか」
「いやぁ、いつ、どこで誰が聞いてるか」
敢えて彼氏と言わず、言葉を伏せる上にキョロキョロと首を動かす冠城を見ながら、やはり呆れて何も言わない右京。
「……もしかして、呆れてます?」
「おや、分かりましたか」
「潔いですね」
「なんの事やら」
そう言うなり、ヘッドホンを当てた為諦めたように、パソコンを開こうと机に戻った冠城だったが、やはり気になるのかスマホを手に取った。
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㊙ - 更新されてないけど大丈夫ですか?楽しみにしてます (2022年7月31日 9時) (レス) id: 6713e19a53 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 薫さんが戻って来たときの話をお願いします (2022年7月12日 13時) (レス) id: 674b34db47 (このIDを非表示/違反報告)
AΩ ?: ???????????????(プロフ) - 短編更新お疲れ様です😆🎵🎵 良かったです❤ (2022年6月25日 8時) (レス) @page31 id: 6bf6ff9524 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新ありがとうございます!相棒21 薫ちゃん帰って来ますね!❤ (2022年6月23日 19時) (レス) id: c46bde8163 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 長編の方が亀更新って短編も亀更新ですね (2022年5月28日 11時) (レス) id: d17a6483f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2022年3月9日 23時