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「ここ、私の部屋ね」
「だから何だよ。」
「あんたの悩みは、ここだと誰にも聞かれないから、あんしんして話してみな。」
見かけによらず、物が少ない彼女────菊池さんは、回転椅子に足を組んで座り、ほれほれ、なんて手をヒラヒラとしている。
「別に、菊池さんに話すようなとこは何も、」
「あーー！」
「っ、んだよ」
「ごめん、座布団とかないからさ、適当にその辺座って」
急に大声出すから、思わず声を上げると、驚いた顔をしながらも、床を指さしそう言った彼女。
すると、同時に勢いよく扉が開いて、菊池！って言って駒場さんが入ってくると、俺の姿を見て目を見開いた。
「あれ、駒ちゃんどしたの。三ちゃん先輩達とカフェ行くって言ってたじゃん」
『言ったけど、音羽くんに変な勘違いされてそうだったから、慌てて戻ってきたの。そしたら、音羽くんの声が聞こえたから……』
ていうか音羽くんは、なんで菊池の部屋にいるの？そう聞いた彼女は、いつもの事なのかベットに腰掛けて、足元に鞄を置いた。
「私が呼んだの。というより、そこでぶつかって？
彼が、駒ちゃんと仲直りできるように計らっちゃおーかなぁって思って？」
『えぇ、菊池に無理に連れてこられたやつじゃん。
────音羽くん、ごめんね？迷惑かけちゃった』
「ちょっと！その言い方はやめてよ、私は駒ちゃんのことを思って、」
『それはありがとう。でも、これで益々関係が開いたらどうするの。』
「そうならないように、私が、」
『音羽くん、いいよ、部屋戻って』
「駒ちゃん！」
珍しく、菊池さんにやんわりと強い口調で言う駒場さんは、俺の方を見ると申し訳なさそうに眉を寄せて言ってくれる。
「……いいのか」
『うん、菊池って、思い立ったらすぐ行動って性格だから。
まぁ、私も人のこと言えないけど』
俺が勉強道具を持って立ち上がると、駒場さんは扉を開けてくれて、私の性格が移ったのかも、なんて苦笑いを見せてくれた。
「…じゃあ、部屋に戻る」
『うん、また明日ね、音羽くん』
やっぱり昼間の事が気になっているのか、小さく微笑んで扉を閉めようとする駒場さんを見ていると、咄嗟に扉を抑える。
「ぁ、」
『……音羽くん？』
どうしたの、って怪訝そうに聞いてくるけど、そんなの俺が聞きたい。どうしたんだ、俺。
『閉めらんない、』
「ちょっと、話さないか。」
手を離すよりも先に、俺からそんな言葉がこぼれた。
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マナ - 作品を参考してよろしいですか？ (2022年1月24日 18時) (
レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ(プロフ) - 駒ノ音〜Another〜作って下さりありがとうございますっ…ずっと2人の出会いが気になっていたので嬉しいです！更新楽しみにしてます՞⸝⸝ > ̫ < ⸝⸝՞ (2021年10月4日 19時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年10月4日 17時
