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担任が気を利かせてくれたおかげで、私は名前が判明した
……って言っても、何部に入ってるかくらいなんだけどね。
でも、菊池が言っていた通り、私が自己紹介中に音羽くんと話していると、色んなところから視線を浴びる。
向こうも気付いてるみたいで、ぜんっぜん顔合わせてくれないし、話すぐにやめようとする。
昔から、こういう人を見ると放っておけなくて、幼馴染からお人好しだってよく言われてた。
『ね、音羽くんって食堂行ったことある？』
「……食堂？どこの」
『え、ここの』
「この学校、食堂なんてあったのか」
『知らなかったの？』
「まぁ……というか、そういう所って騒げるやつが行くようなとこだろ。
俺は、そういう相手がいないから興味無い。」
相変わらず、視線を合わせてくれない音羽くん。でも、何処か寂しそうに答えるから、本当はそういう相手が欲しいんじゃないか……って考える。
そうなると、私のお人好しが開花しちゃうんだよねぇ。
『じゃあさ、今日一緒に食堂行こうよ』
「断る」
『なんで』
「行きたくない。そもそも、人が多いところは好きじゃない」
『じゃあ、人がいないところだったらいい？』
「そんなの、食堂じゃなくなるだろ」
『だから、食堂で私のおすすめセットを2人分買お！で、それ持って屋上行こうよ』
去年色々見て、屋上はお昼になると誰も居ない。普段なら、授業をサボりたいからって理由で、先輩とかが居るんだけど。
音羽くんに、名案じゃない？っていうように前のめりになると、驚いたように目を見開いた後、近いってたった一言を言ってくる。
『えーー、ダメなの？誰もいないの、私が既に確認済みだしさ、行こうよ』
「……」
『……それとも、本当に1人でご飯食べたいの？』
全然答えてくれなくなった彼に、あまり強引に行くのも……って考えに行き着いて、今度は引いてみる。
ほら、押してダメなら引いてみろって言うからさ。
大人しく椅子に座り直せば、何度か口を開いたり閉じたりをした音羽くんが、小さな声で呟いた。
「……1回だけだからな」
『っ…！！ほんと！？ほんとに、ほんと！？』
小さな声だったけど、ちゃんと一緒に食べてくれるって声が聞こえて、嬉しさのあまり席から立ち上がれば、すぐ近くを通っていた先生に軽く頭を叩かれた。
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マナ - 作品を参考してよろしいですか？ (2022年1月24日 18時) (
レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ(プロフ) - 駒ノ音〜Another〜作って下さりありがとうございますっ…ずっと2人の出会いが気になっていたので嬉しいです！更新楽しみにしてます՞⸝⸝ > ̫ < ⸝⸝՞ (2021年10月4日 19時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年10月4日 17時
