° おまじない ページ32
「……Aは、気にならないの？」
『何が？』
「第3の課題で、僕が何を置こうとしているのか」
拡張されたトランクの中にいる生物達を眺めてから、横に座っているおじさんに目線を向けた。
『気にならない。受けて立とうじゃないっていう気持ちと、おじさんは、私たちが危険な目に遭うような生物は仕掛けないだろうって、分かってるし……もっと言うなら、私たちが呪文を唱えて、生物が傷付くのを、おじさんが黙って見ていられるはずないって、ずっと見てきたから、知ってるよ。』
だから、聞かないし知ろうとも思わない。
ポカンとしているニュートおじさんに、ニカッと笑みを見せれば、照れたように鼻をかいた。
「Aは本当に……よく見てるんだな」
『だって、ここにいる子達を見てるおじさんを、見てきてるからね。
……知ってる？私の中で、憧れの人が3人いるの。』
「へぇ〜……誰だい？」
『1人はお父さん。』
「確かに、チャールズさんはかっこいいよね。ティナも1度惚れかけてた」
『2人目は、お母さん。魔法を使わないで、身の回りや家事がなんでも出来ちゃう。凄いなぁって』
「マリエッタさんは……たまにどうして魔法を与えられなかったのか、不思議に思う時がある」
『で、3人目はおじさん。』
「……僕？また、どうして」
『うーん……1番は、生物達を平等に愛して、ちゃんと向き合ってる所に憧れがあるの。私なんて……噛み付かれたりする生物は、あまり近付こうって考えないし……それに、ティナを愛してる姿が好き』
「そう……Aに憧れだって思ってくれているなら……良かったよ。」
『ふふっ……おじさん、照れてる。顔が真っ赤だよ』
引退をせずに、未だ活躍しているおじさんは、私にとって誇らしい。血が繋がって無くても、私の中では家族も同然。レイアが紹介してくれなかったら、魔法生物を好きになることもなかった。
『ニュートおじさん。私と会ってくれてありがとね』
すると、キョトンとした顔で見てきたあと、優しく笑った。
「こちらこそ、僕を慕ってくれてありがとう。
……第3の課題、頑張ってね。Aなら、必ず乗り越えられはずだ」
『うん……頑張るね、ニュートおじさん』
満面の笑みで伝えると、おでこにかかった前髪の上から、そっとキスを落とす。
あ、久しぶりにおまじないのキスされた。ふふっ、久しぶりだなぁ……
リーマスとはまた違った安心感に、デミガイズと共に、包まれた。
° 初日 - Peter side -→←° おじさんのトランク
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し84755号(プロフ) - 初めまして！作品とても面白いです‼︎続きが読みたいのでパスワード教えてもらえないでしょうか？お願いします！ (5月23日 8時) (
レス) id: 46deb2646d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます！！ (2023年1月9日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
たみー(プロフ) - はじめまして！本作品はとても面白く、続きが気になるのでパスワードを教えて頂きたいと思っています！よろしくお願いいたします！ (2022年5月21日 14時) (レス) id: cc612285a5 (このIDを非表示/違反報告)
賢志郎（りん）(プロフ) - はじめまして！小説読ませていただいております！全部とても面白かったです！早速で申し訳ないのですがパスワードを教えていただきたいです！ (2022年3月28日 2時) (レス) @page50 id: 866c28599b (このIDを非表示/違反報告)
ルマ(プロフ) - はじめまして。小説読ませていただいております。とても面白かったです！この続きも読みたいのですが、パスワードを教えてもらうことは可能でしょうか 。 (2022年1月26日 23時) (レス) id: d200f97561 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2020年11月29日 0時
