° 引っ掛け ページ16
「アネッサ！…良かった、間に合ったわ…！大丈夫？」
『マートル！！え、なんで……』
人魚のおかげか、会話ができるらしく間抜け面にならなくて良かったと思いながらそう聞くと、小さく笑って近くの排水溝を指した。
「水の中だったら、何処にも行き放題な事、あんた忘れたの？
……助けに来てあげたわ、私からの最終ヒントって所かしら」
『最終ヒント……？』
「ええ、狼くんを助けたいんでしょ？……向こう側に行ってご覧なさいな。ほんとスグよ……けど、途中で弱虫嬢ちゃんとすれ違ったから分からないけど」
『ありがとう！！マートル、貴方って本当に最高の親友だわ……行ってくる！』
教わったとおり、鰭を動かして向こう側へと泳ぐと段々と、金の卵から聞こえた歌声が流れてくる。ただ、少し違うところがあって
〈時間は半分……ぐずぐずするな……求めるものが……朽ち果てぬよう……〉
『(きちんと時間まで教えてくれるのね)』
槍を手に私のことを追いかけてこようとする何かを振り払って、大きな岩の前を通り過ぎ、藻に激しく覆われた荒削りの石の住居の連なりが。
そこから、恐らく水中人だろうけど……牧草地みたいにぼうぼうな髪の毛で、目が黄色くそれでいて、歯が黄色くあちこち欠けて……首に丸石を繋げたロープを巻き付けた生物が、私を目で追ってた。
『(…待って……あれは何……)』
そのまま泳ぎ続けると、途端にどの場所よりも広い場所に出て、その周りを彼らの家……らしいもので囲んでいた。
色々な大きさの水中人が屯ってて、その中にコーラスをしている生物達が。瞬時に、私たち選手を呼び寄せていることに気が付き進むとすぐ、巨大な水中人の石像と、その鰭辺りに縛り付けられた3人の人が目に入る。
『リーマス！リリー！！』
慌てて彼らの元に向かえば、ぐっすりと事前に眠らされてるのか、口から細かい泡をブクブク言わせながらピクリとも動かない。
ここに来るまで、必死に死人を出すわけがないと考えてた。そんな事、校長先生が許すわけが無いし、誰も許さない。二度と戻らない、なんてあったけど、あれは単なる引っ掛け……。1人を助け、陸に上がる。
もしここに来ることが、制限時間内にできなくても、きちんと然るべき処置を取る……
きっとそういう事。
だけどやっぱり怖くて、リーマスのことを絶対助けたい。リリーは……きっと…ううん、絶対、ビクターが助けに来るはず。
『ごめん、リリー……待ってて、リーマス』
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名無し84755号(プロフ) - 初めまして！作品とても面白いです‼︎続きが読みたいのでパスワード教えてもらえないでしょうか？お願いします！ (5月23日 8時) (
レス) id: 46deb2646d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます！！ (2023年1月9日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
たみー(プロフ) - はじめまして！本作品はとても面白く、続きが気になるのでパスワードを教えて頂きたいと思っています！よろしくお願いいたします！ (2022年5月21日 14時) (レス) id: cc612285a5 (このIDを非表示/違反報告)
賢志郎（りん）(プロフ) - はじめまして！小説読ませていただいております！全部とても面白かったです！早速で申し訳ないのですがパスワードを教えていただきたいです！ (2022年3月28日 2時) (レス) @page50 id: 866c28599b (このIDを非表示/違反報告)
ルマ(プロフ) - はじめまして。小説読ませていただいております。とても面白かったです！この続きも読みたいのですが、パスワードを教えてもらうことは可能でしょうか 。 (2022年1月26日 23時) (レス) id: d200f97561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2020年11月29日 0時
