° 馬と指輪、それと十字架 ページ41
「それでは、みなさま、二人ずつ組になってくださいな。棚から紅茶のカップを取って、あたくしのところへいらっしゃい。紅茶を注いでさしあげましょう。それからお座りになって、お飲みなさい。最後に
トレローニーの説明を聴きながら、カップを取りに行く私たち。棚に乱雑に置かれていたそれらは、どれも埃が被っていたり、縁が掛けてたりが多くて真剣に選んだ。
「A、どれも似たようなものだから諦めた方がいいと思うよ」
『うーん……でも……』
「…あ、ほら、これなんかマシじゃない？」
『……まぁ、他のと比べたら……まだマシね……スコージファイ！清めよ！……うん、綺麗になった』
埃がやら汚れやらを呪文で何とかして、紅茶を注いで貰うと席について大人しく飲み始める。
『ねぇ、この紅茶、ものすごく変な味がする』
「まぁ所詮、茶葉占いをするためのものだからね……飲み終わった？」
『えぇ、終わったけど……火傷したみたい…それに、リーマスが持ってくる紅茶の方がやっぱり美味しいわ』
「……いや、君、僕が持ってきてる紅茶と比べてたのかい？」
『つい、よ……そんな悲しい顔しないで……』
優しく頭を撫でてあげれば、顔を真っ赤にした彼に、急激に私の胸が高鳴った。
「あーー……それで……滓が残ってるから……左手でカップを持って…滓をカップの内側に沿って……三度回して……」
『最後の一滴が切れるのを待つ為に、受け皿の上に伏せたら全部零れない？』
「そんなきちんと落とさなくてもいいんじゃない？」
『あら、そうなのね……じゃあ、教科書を開いて……あぁ、あったわ』
「じゃあ僕のを渡すね」
『どんなものが見えるのかしら』
「そうだなあ……猿とかカバとかじゃないかい？」
リーマスの滓を見ながら、声を押し殺して笑えば早速何かを見つけたのか指で文章を指した。
「ねぇ…これ、ユニコーンっぽく見えるんだけど、馬でいいのかなぁ……」
『ユニコーン？！馬でいいわよ、角があるかないかのだけなんだから』
「じゃあ……馬だから…望みごとが叶うって……」
『へぇ〜』
「あ、待って……指輪っぽいのがある……これは…結婚が吉だって……」
『あら、良いことづくしじゃない』
「……いや、でも……十字架がある……」
『十字架は？』
「苦難……」
『苦難？！じゃあなに、私は望みが叶って結婚してもいいのに、苦難に合うっていうのね？！』
「みたいだねぇ」
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瀬尾早くれな - 初めまして。過去編を途中までと、アズカバンを途中まで、楽しみながら読ませて頂いています。そこで新作のパスワードをお教え頂けないか、と思うのです。続きが気になって、しょうがないのです。更新、楽しみにしております。頑張ってください！ (2020年11月8日 20時) (
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作者名：どこかのムスメ x他1人 | 作成日時：2019年10月6日 11時
