° “ おばあさま ” ページ40
「『占い学』へようこそ。あたくしがトレローニー教授です。たぶん、あたくしの姿を見たことがないでしょうね。学校の俗世の騒がしさの中にしばしば降りて参りますと、あたくしの『心眼』が曇ってしまいますの」
もはや安定である、リーマスと一緒に座っていたAが空気の薄さにぼんやりとしていると、彼がこっそり耳打ちをしてきた。
「ねぇ、『心眼』ってなに？」
『……心の眼？』
「そのままじゃないか」
『だって、そうとしか答えられないもの』
まだ何やら言っているトレローニーを他所に、ぼんやりとしている頭をどうしようかと悩み始める。
ふと横を見れば、ジェームズとシリウスは早速退屈になったのか、悪戯の計画を練っていてその上の段にいるリリーとピーターは、起きているのか寝ているのか分からなかった。
「ねぇ、『天分』って…？」
『神の能力でいいんじゃない？』
「……それは適当すぎるんじゃないかい？」
『何も考えられないのよ……ぼーっとしてるし、頭も痛いし……』
「まぁ確かに……僕は鼻がムズムズしているよ」
『ふふ…… “ ムーニー ” は他の人より鼻が効くものね？』
「狼的な性質だからかな？」
私が言ったジョークに、リーマスもニヤリと笑って言い返したから、クスクスと笑っていると少しばかり大きかったのか、巨大な眼鏡を掛けたトレローニーがグイッと近寄ってきた。
「あなた、そこの女の子」
『けほっ……あ、あぁ…私、ですか？』
「えぇそうですよ。…あなたのおばあさまはお元気？」
『元気です』
「あたくしがあなたの立場だったら、そんなに自信ありげな言い方はできませんことよ」
意味ありげな言い方をして離れていったトレローニー。急に変な事を言われて、思わずリーマスと顔を見合わせれば、今度は同じ寮生のアリシア・スカーレットに、くせっ毛の男の子にお気をつけ遊ばせ、なんて言われていてすぐ前にいたジェームズと距離を取った。
「君のおばあさま大丈夫かい？」
『もしかしたら、マンドレイクの鳴き声で鼓膜がやられてるかも』
今度はリーマスがジョークを言ってきて、私が返せばまた起きる笑い。お互いの腕を軽く叩きながら笑い合っていると、何となくトレローニーに睨まれた感じがした。
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瀬尾早くれな - 初めまして。過去編を途中までと、アズカバンを途中まで、楽しみながら読ませて頂いています。そこで新作のパスワードをお教え頂けないか、と思うのです。続きが気になって、しょうがないのです。更新、楽しみにしております。頑張ってください！ (2020年11月8日 20時) (
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作者名：どこかのムスメ x他1人 | 作成日時：2019年10月6日 11時
