° 休暇明け以来 - No side - ページ29
「こんばんは、1年生」
リリーが先に行ってると言い残し、Aは透明マントを借りて大広間へ向かう。
リーマスはその横にいて、前にはネイサンが来ないようにジェームズ達が。
大広間の前に来たところで、待ち伏せをしていたのかネイサンが近寄ってきた。
「Aと仲が良い子達だよね」
「そうだけど」
「彼女、どこにいるか知ってるかな。」
「しらねぇ。知ってても、先輩のあんたに教える義理はない」
彼の答えに、ネイサンは辺りを見渡してから諦めたのか、何も言わずに大広間とは反対方向へと去っていく。
「……A、いいぞ」
ジェームズが居なくなったのを確認したと同時に、リーマスの横にいたAに声をかければ、ゆっくりとマントを脱いで彼に渡せば、まじまじとそれを見つめる。
『これ、本当に見えてないのね』
「だろ？よくこれで抜け出してるんだ」
『……それ、リリーの前で言うのはやめておきなよ』
「もちろん。俺らとお前の秘密だからな」
「まぁ、もう勘づいてそうだけどね」
『わかるかも。リリーって、凄く勘が鋭いから……あ、リーマス、持っててくれてありがとう』
「ううん、どういたしまして」
『……お腹すいた。早くご飯食べに行こ？』
荷物をリーマスから受け取るなり、彼女は4人に向かってにっこり微笑んで言えば、彼らも久しぶりのAとの食事に満面の笑みになっては、走ってリリーが待つ…(と言っても彼女が待っていたのはAだけだが)席へと向かう。
Aが座ろうとした時、スリザリンの席に目がいき、端の目立たないところに座っていたセブルスを見つけると、彼も一瞬だけ笑みのようなものを浮かべる。
「…A？どうかしたのかい？」
『あ……いいえ、何でもないわ。ちょっと、いまさっき嬉しいことがあっただけ』
ピーターに諭され、席につきながらそう言うとワクワクしたような表情で、リーマスやリリー、ジェームズ達が彼女の食事を盛り付けたものを差し出す。
『わぁ……こんなに？』
「私が乗せたのは、ここの部分だけよ。後は、頼んでもないポッター達が乗せたの」
『ありがとう……でも、こんなに食べ切れるかなぁ……だって、デザートもあるんだよ？』
「大丈夫。その時は、シリウスが残ったの食べてくれるって」
「なっ…！！んな事言ってねぇ！！」
「デザートも取ってあげるからね」
休暇明け、久しぶりに揃った事で嬉しいのか、程よく騒ぐ人達を、苦しげな顔で見る生徒がいた。
° 1年生の終わり→←° 心配と疑いと - Lilly side -
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瀬尾早くれな - 初めまして。過去編を途中までと、アズカバンを途中まで、楽しみながら読ませて頂いています。そこで新作のパスワードをお教え頂けないか、と思うのです。続きが気になって、しょうがないのです。更新、楽しみにしております。頑張ってください！ (2020年11月8日 20時) (
レス) id: 222f789a86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どこかのムスメ x他1人 | 作成日時：2019年10月6日 11時
