° 安心 ページ27
「さぁ、今日は忘れ薬を調合してもらうよ。期末試験でも出す予定だから、きちんと覚えて調合してくれ。材料は前にある。教科書を見ながら2人1ペアで協力して。時間は45分。第1段階が出来たら呼ぶように。」
それじゃあ、始めて。
スラグホーンの声で、グリフィンドール生とスリザリン生が競うように動き出す。いつもは私が取りに行っていたんだけど、久しぶりにリーマスが取りに行ってくれた。
『おかえり、ありがとねリーマス』
「うん、材料は……揃ってるかな…」
『忘却の川の水に………カノコソウの小枝……ヤドリギの実……ええ、全部揃ってる！』
「よし、じゃあ早速やろっか……」
『うんうん』
教科書をほぼ暗記してしまった私は、リーマスと協力して第1段階を進めていく。
「これは……3回時計回りに混ぜればいいんだよね」
私に確認しながら進める彼を眺める。どうして教科書じゃなくて私に確認するの？って前に聞いたことがあって、その時、
【だって、Aが横にいてくれるだけで、安心するから。それに、教科書より君の方が詳しいし……授業中でも、話してたいんだ、Aと……】
なんてこと言ってて……スラグホーンにも、私とペアを組んでから、ルーピンの調合の腕が上がった…なんて事も言われたなぁ……
「…A、第1段階出来たよ……A？」
『……リーマス、ありがとう』
「えぇ？どうしたの、急に……」
『んーん…言ってみたくなった。…じゃあ、1時間待って、第2段階私やるね！』
にっこり笑って上手く交わせば、リーマスは何も感じなかったのか、小さく笑みを浮かべた。
「なぁ、なぁA」
『わっ……ジェームズ…どうしたの？』
「あの5年から逃げられるもの、Aに貸してあげようと思ってさ」
『逃げられるもの……？』
「すごいんだ、俺らもしょっちゅう使ってる」
『…シリウスとジェームズが使ってるなら、悪い事しかイメージ湧かないんだけど』
「あ、相変わらず2人に辛辣だね、A……」
「でも、すげぇ便利だからさ。使ってみろよ」
『んー……じゃあ授業終わったら貸して欲しいな。みんなと久しぶりに話してたら、それ使いたくなってきた』
なんだかんだ言って、この空間が私の中では安心するもので、悪戯するのに4人が使ってるものを使うのはかなり気が引けるけどしょうがない。
リー先輩は優しい。上級生だし、色んなことを教えてくれるけど、あんなに絡まれると嫌気がさしてくる。
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瀬尾早くれな - 初めまして。過去編を途中までと、アズカバンを途中まで、楽しみながら読ませて頂いています。そこで新作のパスワードをお教え頂けないか、と思うのです。続きが気になって、しょうがないのです。更新、楽しみにしております。頑張ってください！ (2020年11月8日 20時) (
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作者名：どこかのムスメ x他1人 | 作成日時：2019年10月6日 11時
