° 人狼 - Remus side - ページ14
「A！！」
「リーマス……どうしたの？」
彼女の傍から、ネイサンが離れていくのを見たあと声をかければAは、不思議そうに僕を見た。
「いや……えっ、と……」
「ん？」
「し、心配で！そう、心配だったんだ。ネイサンを送ったあと、一人で帰ってくるんだろうなって思ったから、うん」
咄嗟に最もらしいことを言えばAは、ああ！と頷いた。
「ありがとう、リーマス。…でも、よく場所がわかったね？」
帰路に着きながら、彼女がそう聞いてきたから応えようとしたけど、少し冗談でも言ってみようかと考え直す。
「ん〜……やっぱり、狼の性質…とか？」
「うそっ！！ほんとに？」
「冗談だよ。足跡を辿ってきたんだ、後は直感？」
「え〜、冗談なの？残念」
「そんな性質を持っていたら、気味が悪いだろう？まるで、ストーカーみたいだ」
いや、警察犬？なんて思い直すと、Aの顔は影がかかり頬をふくらませた。
「素晴らしい性質よ！他の人が気味悪がっても、私はそんなの気にしない。むしろ、尊敬するわ。だって、もしそうだとしたら、リーマス、あなた素晴らしいものを持っているんだもの。」
もちろん人狼っていうものもね、と笑って付け加えたそれに、最高潮な程に僕の心は舞い上がっていた。
グレイバックに噛まれて、出来る限り人と関わらないようにしていて、人狼だからとか、いつ人を襲うかわからない、なんていう理由に囚われてこの性質を恨んでいたけれど、Aの一言でそれが嘘のように消えていく。
「寒いねぇ〜、寒いねぇ〜」
なんて言いながら、雪の上を楽しそうに進んでいくAの後ろ姿を見ながら、ネイサンと家を出る前…正確には彼女を迎えに行く事にしたきっかけを話した、チャールズさんを思い浮かべた。
彼女が出ていった後、チャールズさんは疲れたように椅子に座り込んだから、遠慮気味に聞いてみたら深い理由があるみたい。
『今の、ネイサン君は……というより、御家族の方が、少し闇祓いの方で噂があってね』
『悪い噂なんですか？』
『……君にこんなことを話すなんて、どうかしているんだが、あの子は随分と君に心を許しているみたいだし、これから続く長い学園生活の為に話しておこうか。
少し長くなるから……そうだね、先にAを迎えに行ってきてからにしようか』
『チャールズさん』
『なんだい？』
『どんな噂であれ、もしAに危害が及ぶ事なら、僕は全力で娘さんを守ります。』
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瀬尾早くれな - 初めまして。過去編を途中までと、アズカバンを途中まで、楽しみながら読ませて頂いています。そこで新作のパスワードをお教え頂けないか、と思うのです。続きが気になって、しょうがないのです。更新、楽しみにしております。頑張ってください！ (2020年11月8日 20時) (
レス) id: 222f789a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ x他1人 | 作成日時：2019年10月6日 11時
