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涼香さんの、葬儀が終わって時間が空いた私たちは、病院に運ばれた喜多見チーフの病室にいた。
みんなが、チーフと顔を合わせるのは、あの爆発事故以来だったと思う。
「喜多見チーフ」
「大丈夫ですか？」
「…おぉ……どうしたんですか？」
上体を起こして、いつもみたいに笑みを浮かべて出迎えてくれた喜多見チーフは、やっぱり無理して笑ってる。
そんなチーフの傍に、寄り添うように置かれた骨壷カバーが、改めて涼香さんの死を私たちに実感させてくる。
「どうしたって……葬儀のあと倒れて入院されたと聞いて」
「すいません、心配かけちゃって。
何だか、疲れがどっと出たみたいで……なかなか、こう、思うように体が動かなくて…
あんなに、筋トレしてたんですけどね」
「…ゆっくり、休んで下さい」
「ええ」
ミンさんの言葉に、返事はしてくれるものの、心ここに在らずって雰囲気で私たちから視線を逸らす。
「……チーフ
来週の……MERの最終審査会なんですが、私たちだけで出席してきますね。」
「喜多見チーフの過去について誤解があって、MERに批判はありますけど、最終審査会で、きちんと説明をして、誤解を解いてきます。」
「喜多見チーフが居なくても、俺たちできちんと伝えてきますから、安心してください。」
「私たちがやってきたことは間違ってませんし、MERには救急医療の理想が詰まってます。
きっと、分かってもらえるはずです。」
どんなに批判を受けても、私たちはMERと、喜多見チーフと、この仲間がいる以上、何も怖くない。
そんな思いで、喜多見チーフにそれを伝えれば、返ってきた答えは、私たちが求めていたものじゃなかった。
「────本当に、理想なんでしょうか。」
「えっ……？」
「俺たちがやってきたことは、本当に正しかったんですかね」
「喜多見チーフ……」
「間違ってるはずありませんよ。」
「そうです。何度も命を救ってきたじゃないですか」
「でも涼香は救えませんでした。」
チーフが弱音を吐いて、私たちがそんな事ないって止めて……
でも、この人のたった一言で、私たちは、何も言えなくなる。
「何も出来ないまま死にました。俺のせいですね」
「喜多見チーフ、あなたは何も悪くない」
「いや、俺のせいですよ」
「そんなことな…」
「俺のせいです！！
俺が椿を助けなきゃ、涼香は死ななかった。紛争地域になんか行かなきゃ、こんな事にならなかった！」
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マナ - タイトル(題名)とかすごいのですが…どうやって書いていらっしゃいますか？ (2021年9月18日 21時) (
レス) id: 223f5e45fc (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ(プロフ) - マナさん» 小説を読んでいる時に右端にあるヘルプという所を押すと書き方が書いていますし、小説の書き方を載せている方も居るので検索してみてください。 (2021年9月14日 22時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 音羽先生大好きです！更新楽しみにしています！最高です！ (2021年9月14日 15時) (レス) id: e16d10e994 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 空うさぎさん» えっと……？ (2021年9月14日 13時) (レス) id: a03c89d697 (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ - マナさん» あの…書き方についてはヘルプの所に書いてあると思います…！ (2021年9月14日 11時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年9月4日 18時
