+ 163 + ページ14
.
【〈公安部外事第4課 月島課長
どうせ、この音声も傍受してるんですよね。
返答がないなら、起爆装置を作動させます。〉】
『なっ……』
【〈5秒前────〉】
これ以上爆発が起きたら、私たちじゃどうにも出来ない。
喜多見チーフを見れば、彼も彼で焦った顔で私を見てくる。
そして、カウントダウンが終わる前に、また別の人の声が入ってきた。
【公安部外事第4課の南だ。
月島課長は本部だ、代わりに話を聞く】
【〈南さん……？
確か、私を調べるために、わざわざアメリカまで行ってくれたんですよね。月島課長の右腕だとか〉】
【御託はいい、要求を言え】
【〈…その医科大学は9年前、当時 厚生労働大臣だった、天沼夕源の強い働きかけによって設立認可が下りました。
その時、大学の理事長が天沼に裏金を渡したことを示す分書を、内閣府のホームページで公表してください。
17時までに公表されなければ、新たな爆弾を使用し、確実に死者を出します。〉】
【分かった、政府に掛け合ってみよう】
【〈それと、建物には誰も近付けないでください。
今、4階の教室にいる学生11名、講師1名、医師2名。合計14名を人質とします。
建物内にいる他の人間は、1分以内に退去させてください。〉】
私たちを人質に、そう言って椿さんからの電話は切れた。
中里さんを見ながら、学生たちはSNSにでも投稿されているだろう動画を見ては、逃げようって言い始めて、そのまま扉に向かうから喜多見チーフが、慌てて止めに行く。
「建物から出たら危険です！」
「誰にも見つからないように、こっそり裏口とかから出れば大丈夫……」
「それは出来ません」
「どうして」
『……この中に、犯人と繋がってる人がいるから』
言いたくないけど、言わなきゃみんな理解してくれない気がするから、思いきれば予想通りそれぞれが疑い始める。
その隙に、喜多見チーフを呼べばすぐに駆け寄ってきた。
『…やっぱり、椿さんが私に言っていたことって、本当だったんでしょうか』
「さぁ…分かりませんが、今のであなたではなく俺が目的らしい。
だから、A先生は何も考えないで、そのままのあなたでいてください」
大丈夫、優しく微笑んでくれる喜多見チーフに、私がなんとも言えないっていう気持ちになれば、スマホに通知でも入ったのか、急に開き出す。
そして、険しい顔で私を見るなり、画面を見せてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 608人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マナ - タイトル(題名)とかすごいのですが…どうやって書いていらっしゃいますか？ (2021年9月18日 21時) (
レス) id: 223f5e45fc (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ(プロフ) - マナさん» 小説を読んでいる時に右端にあるヘルプという所を押すと書き方が書いていますし、小説の書き方を載せている方も居るので検索してみてください。 (2021年9月14日 22時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 音羽先生大好きです！更新楽しみにしています！最高です！ (2021年9月14日 15時) (レス) id: e16d10e994 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 空うさぎさん» えっと……？ (2021年9月14日 13時) (レス) id: a03c89d697 (このIDを非表示/違反報告)
空うさぎ - マナさん» あの…書き方についてはヘルプの所に書いてあると思います…！ (2021年9月14日 11時) (レス) id: a700536b31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年9月4日 18時
