+ 56 + 千side ページ7
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『心臓って、届いてる？』
スマホを耳に当てながら、本部テントに入ってきたAは、ホワイトボードに目を凝らして電話の向こうに投げかける。
『救助された中に、高田憲明さんっていう、移植ネットワークの職員がいたの。その人は、今回、小山先生と心臓を運ぶ役目をするはずだった。』
険しい顔で説明する彼女とは別に、俺にとっちゃなんのことかさっぱり。
だが、喜多見やら、音羽さんたちは、それが何を表しているのか知っているらしい。
『弦巻ちゃん、小山先生の年齢、連絡先、血液型、既往歴を、大至急送って。
これは全部、命を救うために必要な事なの。それと、高輪先生と合流したら、あなたが今使ってるヘッドマイク、渡してくれる？』
よろしく、そう言って電話を切ったAは、俺の聞きたいことを知っているのか、口を開いた。
『さっき、移植ネットワークの高田先生がいたの』
「A先生、それは間違いないんですか？」
『喜多見チーフ、高田先生は、私の医大時代の先輩です。間違えるわけが無い。
今日、海浜病院では心臓移植手術を行ってる。その心臓を届けるために、高田先生はここにいた。』
「おい……まさか…」
『千住さん、そのまさか。
その心臓は、到着予定時刻を過ぎても、届いていないそうよ。
心臓と、それを運んでいる小山先生は、まだあのトンネルのどこかにいる。』
Aの発言に、テントの中は静まり返る。
それを壊したのは、腕を組んで考えている喜多見だった。
「このままじゃ、小山先生も心臓も危ない」
『どうにかして、先に心臓だけでも助け出さなきゃ』
【だが、二次被害のリスクが高すぎる】
『そんなこと分かってる。だけど、心臓が助からなかったら、今病院で心臓を待っている子どもがどうなるのか、想像くらい着きますよね？駒場さん』
【だとしても、危険だ。また、重傷者が出たらどうする】
『じゃあ、見捨てろって？』
「おい、その辺に……」
【…A先生、聞こえる？高輪です】
『っ……高輪先生、聞こえます、駒場です。』
駒場さんといい、Aといい、親子だから性格も考え方も一緒って……もう少しで、親子喧嘩になるところだった。
【今、小山先生と連絡が取れた。変わってくれる？】
『わかりました
……小山先生、聞こえますか？医師の駒場です。』
俺たちにも聞こえるように、ヘッドマイクを机の上においたAの顔は、救命医の顔だった。
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どこかのムスメ(プロフ) - Riaさん» コメントありがとうございます！そうですよね、私も駒場さん好きなので、なかなかないなら作ってしまえ！ってノリで作ったので、そのように言ってくださると作った甲斐がありました笑 (12月2日 10時) (
レス) id: c3671cae8b (このIDを非表示/違反報告)
Ria(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます 駒場室長が出てくるお話は中々ないので室長ファンとしては凄く嬉しいです (12月1日 12時) (レス) @page11 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのムスメ(プロフ) - 青髪さん» 読んでくださってありがとうございます！私が見ていたドラマからなので、偏ったりがありますが……。四宮先生は出したい欲があるので、楽しみに待っていてください！他に、出して欲しいキャラとかいたら、コメントに書いてくだされば出すかも…なので、お気軽に！ (2021年8月18日 22時) (レス) id: ca5bf8a95f (このIDを非表示/違反報告)
青髪(プロフ) - 初めまして。一気にIから読んでしまいました…！！ちょいちょい医療ドラマの先生とか出てくるのが楽しみな自分もいます…！！コウノトリから鴻鳥先生や四宮先生も出てくる事を祈ってます！！更新待ってます！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 8f192a2bc7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのムスメ(プロフ) - sho.kano0129さん» 藍沢先生……考えますね、楽しんでくれてるようで、こちらも嬉しいです！笑 (2021年8月17日 11時) (レス) id: ca5bf8a95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年8月13日 12時
