+ 51 + 駒side ページ2
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『あっ、いらっしゃい』
電話を切ってから何時間後に、私の前に現れたのは、スーツじゃなくて、Tシャツにジーパンとラフな格好の尚ちゃんだった。
手にはコンビニの袋をもって、お邪魔しますと律儀に靴を脱ぐ姿は、あの生真面目な官僚とは思えない。
『ごめん、部屋あんまり綺麗じゃない』
「いいよ……俺の部屋よりは片付いてる」
『比較がよく分からない』
ソファの背もたれにかかったパーカーを、私が寝室に投げたところで、机の上にコンビニの袋を置く。
『何買ってきたの』
「色々、後で請求する」
『え、なんで、頼んでない』
「冗談だよ」
お酒強かったっけ、なんて聞きながら出していく姿に、微妙と答えて冷蔵庫から残り物を出す。
……レンジするのもあれだし、しなくていいのでいいや。
『ねぇ、昨日の夕飯の残り食べる？』
「食べる」
『はーい……っえ、こんなに買ってきたの？ばか？』
「目に付いたんだよ、しょうがねぇだろ」
『朝ごはんは？』
「食べてない、こう見えて俺、徹夜明け」
尚ちゃんの発言に動きを止めて、振り返って彼の正面に回れば、確かにどこか疲れた様子だし、何より隈がある。
『なんで来たの……寝てなよ』
「いや…」
『なに』
どこか歯切れが悪い彼に首を傾げれば、尚ちゃんは私のことをスっと目を細める。
「……いつから寝てないんだ？」
『え？』
「隈、酷いことになってる」
そう言うなり、腕を掴んでそのまま彼の横に座らされれば、そっと撫でられる。
今までの尚ちゃんにしては、大胆な行動で何度も瞬きしてしまう。
「大丈夫か、A」
『っ……尚、ちゃん…』
ゆっくりと言い聞かせるかのように、優しく彼から言われると、幹くんの時とは違って調子が……。
「無理すんなよ」
『無理、してないし』
「じゃあ、どうして泣いてんの」
『知らないっ……出てくんの…』
尚ちゃんに指摘されて、頬を伝う涙を必死に拭っていれば、優しく彼の胸へと引き寄せられる。
背中を摩られて、我慢するな、なんて言われたら、そんなの…
『眠れないの……立てこもりの後から…夢に出てきて怖くて眠れない』
「……早く言えよ、ばか」
私の本音に、尚ちゃんは抱きしめる力を強めて、低い声でそう言った。
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どこかのムスメ(プロフ) - Riaさん» コメントありがとうございます！そうですよね、私も駒場さん好きなので、なかなかないなら作ってしまえ！ってノリで作ったので、そのように言ってくださると作った甲斐がありました笑 (12月2日 10時) (
レス) id: c3671cae8b (このIDを非表示/違反報告)
Ria(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます 駒場室長が出てくるお話は中々ないので室長ファンとしては凄く嬉しいです (12月1日 12時) (レス) @page11 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのムスメ(プロフ) - 青髪さん» 読んでくださってありがとうございます！私が見ていたドラマからなので、偏ったりがありますが……。四宮先生は出したい欲があるので、楽しみに待っていてください！他に、出して欲しいキャラとかいたら、コメントに書いてくだされば出すかも…なので、お気軽に！ (2021年8月18日 22時) (レス) id: ca5bf8a95f (このIDを非表示/違反報告)
青髪(プロフ) - 初めまして。一気にIから読んでしまいました…！！ちょいちょい医療ドラマの先生とか出てくるのが楽しみな自分もいます…！！コウノトリから鴻鳥先生や四宮先生も出てくる事を祈ってます！！更新待ってます！！！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 8f192a2bc7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのムスメ(プロフ) - sho.kano0129さん» 藍沢先生……考えますね、楽しんでくれてるようで、こちらも嬉しいです！笑 (2021年8月17日 11時) (レス) id: ca5bf8a95f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ | 作成日時：2021年8月13日 12時
