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「A〜、どうしよう、先輩クビ?」
『慶二くん、クビは行き過ぎだよ。それに、一ヶ月前の事件を今持ってくるって、ちょっとおかしいと思わない?』
今にも泣きそうな芹沢からの電話で、入庁してからすぐに特命係へと向かった冠城と別れ、捜査一課を訪れたAはすぐに隅へと連れていかれた。
そして、電話をした張本人から記事を見せられ、彼にバッサリと言い捨てると、いつにも増して小さく見える背中に視線を向けた。
『……伊丹さん、大丈夫ですか?』
「……はぁ」
『深すぎるため息』
「さっきからあんな感じ」
『え、朝からきっつ。』
「それは同感」
『慶二くんも大変だね』
「だね」
「おいこら、全部聞こえてんだよ。」
『ぅわ、動いた』
ため息しか吐いていない伊丹に、2人がコソコソと話していれば急に立ち上がり、いつも以上に眉間に深いシワを作り、Aの事を指さした。
「神田、お前はもう、ここの人間じゃねぇんだから朝っぱらから顔見せんな!」
『え、私呼ばれてきただけ……』
「それと芹沢!!お前は、何のこのこと神田呼び出してんだ、このバカ!!」
「ぃっ…てぇ………先輩、痛いっすよ〜」
『凄いいい音し…ったぁぁ……』
芹沢が叩かれたあとで、とばっちりを受けたAが叩かれた頭を擦りながら、新聞記事を見せた。
『伊丹さん、この事件に関わったのって本当なんですね』
「ああ」
『本当に、他殺じゃなかったんですか?』
「違う」
『ほんとに?神に誓えます?』
「あのなぁ?」
嫌そうに顔を顰め、彼女の顔を逸らした伊丹にAは呆れたように息を吐いた。
それと同時に、彼女が見慣れた頭を視界にとらえたあとで、またこちらも偉く怒っているような顔をした中園参事官が。
「伊丹!内村刑事、
……神田がなんでここにいるんだ」
『芹沢さんに、泣きつかれました』
「え?!!」
「はぁ?いや、今はそんな事どうでもいい。それに特命係に行く手間が省けた。
お前たち2人、刑事部長がお呼びだ。」
そんな捜査一課と同時刻に、特命係にいる2人も新聞記事片手に記事を読み上げる角田に、事件のことを知らされていた。
「スクープ 殺人犯の手記を入手
飛び降り自 殺の女性、実は殺人だった。私が彼女を殺した」
「失礼」
「殺人事件を見逃したってんで、捜査一課は大騒ぎだよ。
特に、伊丹は大ピンチらしい」
「伊丹さんが?」
「自 殺と判断したの、伊丹なんだと」
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み - おはようございます!相棒の夢小説貴重で楽しく読ませて貰ってます 日下部さんや大河内さん芹沢くんが好きなので絡ませて欲しいしなぁ (2022年4月13日 6時) (レス) id: 2d5aeb494c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新はやくぅ (2022年2月13日 20時) (レス) @page23 id: 3604e47afb (このIDを非表示/違反報告)
弥 - あああ、キュンキュンします。更新楽しみにしてます、。 (2019年10月7日 1時) (レス) id: ebd4aa5f74 (このIDを非表示/違反報告)
L - 更新希望しています! (2019年4月6日 18時) (レス) id: 2c50a61ae9 (このIDを非表示/違反報告)
シエテ - 更新希望しています! (2019年2月27日 15時) (レス) id: 5663057f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年3月27日 19時