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亘「ありがとう」
「……え?」
突然の言葉に、思わずAはマグカップから顔を上げると、少し悲しそうに笑みを浮かべた冠城の姿が。
亘「右京さんと、千原の事を調べてくれて」
「いえ……」
亘「それと、ごめんな」
「冠城、さん?」
彼はマグカップを近くの机に置くと、Aもそれに習って、優しく置いた。
亘「俺が、Aちゃんの事を巻き込んだせいで、人質に取られてさ……
今も、痛いか?」
そう言いながら、袖から見えるAの包帯が巻かれた両腕を取った。
「少しだけ、痛いですけど……でも、冠城さんのせいでもなければ、誰のせいでもないです。
元はと言えば、後ろを気をつけてなかった私の責任なので……
もし、それで、冠城さんが悔やまれているなら、お気になさらず。私は、大丈夫なので」
そう小さく笑って言うと、少しは安心したのか、冠城も笑った。
亘「こんな時に……ていうか、会ったばっかりでこんな事言うのもあれだけどさ……」
「なんですか?」
亘「俺、Aちゃんが人質に取られてる画像を、清水達に見せられた時、なんか知らないけど、怖くなった。
Aちゃんに何かあったらどうしようって、あの時それしか考えてなくて、その時だけ、千原の事も、頭から消されてた。」
「冠城さん……」
亘「だから、俺がついて無事だった時、すごいホッとしたんだよね。無事で良かった、って……」
Aは真剣に話す冠城の顔を見つめながら聞いてるも、ゆっくり口を開いた。
「じゃあ、私も、1ついいですか?」
亘「何でしょう」
「確かに、捕まった時は、少しは怖いって思いました。
でも、私が何より怖かったのは、冠城さん、あなたです。」
亘「……俺?」
「早田さんが、銃を取り出した時、真っ先にあなたは彼を止めた。それが、怖かったんです。
あの時、右京さんも、早田さんを止めようとしてました。
でも、私は……私は、冠城さんが撃たれたらどうしようって……すごく、怖かった。」
亘「Aちゃん?」
「もう、嫌なんです。大切な人が、居なくなってしまうのが……
だから……無事で良かった……本当に」
自然と、言いながら零れ始めた涙を拭いながら、無意識に冠城に抱き着くと、最初は驚いていたものの、彼はゆっくりと彼女の背中に腕を回した。
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み - おはようございます!相棒の夢小説貴重で楽しく読ませて貰ってます 日下部さんや大河内さん芹沢くんが好きなので絡ませて欲しいしなぁ (2022年4月13日 6時) (レス) id: 2d5aeb494c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新はやくぅ (2022年2月13日 20時) (レス) @page23 id: 3604e47afb (このIDを非表示/違反報告)
弥 - あああ、キュンキュンします。更新楽しみにしてます、。 (2019年10月7日 1時) (レス) id: ebd4aa5f74 (このIDを非表示/違反報告)
L - 更新希望しています! (2019年4月6日 18時) (レス) id: 2c50a61ae9 (このIDを非表示/違反報告)
シエテ - 更新希望しています! (2019年2月27日 15時) (レス) id: 5663057f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2018年3月27日 19時