出会い ページ3
僕ら4人は、個人で仕事に出る時間以外は
常に一緒に過ごしていた
笑っていた
輝いていた
励まし合い
信じ合い
未来への希望に満ち溢れていた。
僕たちの出会いは、
13年前に遡る。
A「これ、落としたよ」
「お、サンキュ」
座った時にズボンのポケットから落ちた
財布を手渡しながら、小さく会釈する女の子。
少し長めの黒い髪を
1つに束ねた彼女は、
Aと名乗った。
1年生が4人しかいないこともあり、
僕たちはすぐに仲を深めたことを覚えている。
特に夏油傑。
彼とはすぐに仲良くなった。
今でも、顔を見合わせただけで
何を考えてるのか お互いわかってしまうほどの仲だ。
そして、家入硝子。
反転術式で治療ができる高専でかなり重宝されている呪術師。
かなり世話になっている彼女には、”最大の借り”もある。
「A！」
A「なーに？」
最後は、
名前を呼ぶと目を細めて優しく笑うAは、
一般家庭に覚醒遺伝で生まれた珍しい呪術師だった。
彼女には一目惚れだった。
一般家庭に生まれた分、人一倍努力する姿や
他人の痛みや苦しみに
誰よりも向き合える
優しい子だった。
今でも覚えてる。
当時
3級の呪術師だったAが、
夜峨先生と1級の呪霊を相手にした日
僕たちも別々の任務を終えて
高専に帰ると、
すぐに硝子から電話が入った
硝子「五条、早く来い」
息を荒げたまま保健室へ行くと、
Aが、痛々しい姿で
ベッドに横たわっていた。
処置も早く、硝子のおかげで大事には至らなかった。
その日はAが目を覚ますまで
頭を優しく撫で、手を握り続けた。
僕がいない間にAが傷つくなんて考えたくもない。
守りたい。
「俺に、守らせてよ」
目を覚ました様子のAに、そう言えば
薄く開く唇に優しくキスをした。
僕たちは付き合うことになり、
傑も硝子も大賛成。
しかし五条家の人間は、
僕の相手が御三家の人間ではないことを知り、大騒ぎだった。
そんな4人だった。
.
チャイムが鳴る
「っさ、今日の授業はここまでです！」
悠二「ありやとーございました！！」
「はぁーい、じゃちゃんと復習してきてね！」
手を振り笑いながら教室を出ると
長めの髪が靡くのが見え
タバコの煙たい匂いが鼻を刺激した
傑と硝子だ
夏油「悟、行こうか」
「ん、行こう」
4人で歩くのに慣れていたこの廊下
今日はAに会いに行く日なんだ
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作者名：ごじょ様るんるん | 作成日時：2023年10月10日 1時
