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重ねたポーカーフェイス 13 ページ43

昔のことを思い出している間に、保健室に着いた。

保健室の先生は休憩中らしく、誰もいない。




快斗は私を優しく保健室のベッドへと下ろす。

そっと布団を掛けてくれた。



そして快斗はベッドの縁近くに座る。

快斗の重みでベッドが軋む。





「……」


「……」



お互い無言のままで気まずい雰囲気が漂う。


私は快斗に謝ろうと口を開いた瞬間。




「A……ごめんな」




私の声ではなく、快斗の声が聞こえた。

真剣な眼差しで私を見つめる。




「……男子たちと接する機会が多くなるのは分かってたはずなのに。いざ実際見てみると、嫉妬しちゃってよ」



快斗は目線を外し、下を向いた。


私は快斗を見ながら話す。




「私の方こそごめんね」


快斗の声ではなく、自分の声が出た。




すると快斗は私の頭に手をおき、優しく撫でる。

暖かい温もりに私は目を細めた。





「これ以上、Aがほかの男子と仲良くしてるの見たら俺、その場で変装解いちまうかもしれねぇ」




快斗はそう言うと顔に手を添え、マスクを脱いだ。

一緒にウィッグも取れる。



「快斗って、思った以上に嫉妬深いんだね」



「……悪かったな」



さっきよりも激しく頭を撫でられる。
セットしたウィッグがぐしゃぐしゃになってしまった。


「変装練習もういいの?」


「あぁ。次の宝石は展覧会で確認するだけして帰る。それに……」




快斗は私の首元に指を指した。



「変声機、壊れちまったしな」




ジャージの首元を見ると、機械から色んなコードが飛び出ているのが見えた。



サッカーボールが当たってしまって壊れたのだろう。





「すんません」


「いいんだよ。お前に怪我がなければそれで」



すると快斗が立ち上がり、腰に手を当てた。

快斗は続けて話す。



「ほら、早く」




「……え?」


「変装解いてジャージ交換しねぇと。授業もちょうど終わっちまったし」


「あ、いや、まって。ここで脱げと?」




「あれれ〜?自分で脱げないのかな?仕方ねぇな。俺が脱がせてやーーーー」




私は思いっきり快斗の顔面を殴った。

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設定タグ:名探偵コナン , 怪盗キッド , 工藤新一   
作品ジャンル:アニメ
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にこ - 『結婚おめでとう!爆誕!黒羽夫婦!』はうけるw (2021年5月5日 12時) (レス) id: 637833a828 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぉ(プロフ) - 初コメ失礼します!とっても面白すぎて感動しました!!もしかしてなんですが、某戦争屋実況者好きですか?!言葉選び見てたら何となくかんじただけです。突然失礼しました。。応援してます! (2020年8月11日 17時) (レス) id: 3df50c7f72 (このIDを非表示/違反報告)
えむあんどえー(プロフ) - 英里佳さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます!かっこいい彼を文で表現出来たのなら嬉しいです!続編も頑張ります! (2020年5月31日 1時) (レス) id: 1b31a8cf99 (このIDを非表示/違反報告)
英里佳 - 初めまして。読みました!快斗くんかっこいいですね!続編みたいです! (2020年5月30日 23時) (レス) id: 53aa3a6253 (このIDを非表示/違反報告)
えむあんどえー(プロフ) - ゆうさん» 破局から始まり、破局で終わってしまいました……笑。そしてコメントありがとうございます! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 1b31a8cf99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えむあんどえー | 作成日時:2020年5月23日 21時

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