重ねたポーカーフェイス 12 ページ42
ふと斜め前に目線を向けると、そこには蘭にそっくりな女子がいた。
江古田高校の制服を着ている。
私は新一の肩を叩いた。
「ん？」
「蘭に似てる人いる」
「どこ」
新一が視線を色んなところに向ける。
「新一の後ろ」
「あー、さすがに人多すぎて後ろ向けねぇ」
「まじめっちゃ可愛い。ドタイプやわ」
「はいはい」
私が可愛い女の子好きを知っている新一は、呆れた様子で窓の外へと視線を戻した。
私は女子が気になってしまい、じっと見る。
すると女の子が目を見開いて固まり始めた。
(……？)
眉をひそめ、目を凝らす。
女の子の目に少しずつ涙がたまる。
私は瞬時に女の子の周りを確認した。
そして新一の腕をつかみ、女の子の近くにいる男の子を指さす。
「そいつ！！！痴漢です！！！！」
その瞬間、私の後ろのドアが開いた。
バランスを崩し倒れかけたが、新一が腰に手を回し、倒れるのを回避してくれる。
その間に指さされた男が私の横を猛ダッシュで掛けてき、電車から飛び出した。
「てめぇ！待てやごらぁぁ！！！！」
私は新一の腕からすり抜け、男を追いかけて行った。
「お、おい！A!!」
新一の声を無視して階段をかけ登る。
人混みの中、男を逃さないよう目でしっかりととらえる。
男が改札から出ようとしていた。
(このままじゃ見失っちゃう！！！)
そして私は足を早め、助走をつけ…………。
「おらぁぁ！！！」
男に向かって思いっきり飛び蹴りをかます。
男は情けない声を出して倒れて行った。
駅員さんが駆けつけてくる。
「君！何してるの！」
すると後から新一と女の子が息を切らしてやってきた。
「こいつ、痴漢です」
新一の言葉に女の子は頭を上下にして頷く。
男は駅員さんに腕を捕まれ、事務室へと連れていかれた。
私は安堵のため息をつき、立ち上がる。
女の子が私の元へと駆け寄った。
「ありがとうございます！」
「いいのいいの」
にっこりと微笑むが、新一は心底心配そうな顔で私を見ていた。
私は続けて話す。
「そう言えば同じ高校だよね！お名前は？」
そして女の子は笑顔でこう答えた。
「私、青子！中森青子って言います！」
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にこ - 『結婚おめでとう！爆誕！黒羽夫婦！』はうけるw (2021年5月5日 12時) (
レス) id: 637833a828 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぉ(プロフ) - 初コメ失礼します！とっても面白すぎて感動しました！！もしかしてなんですが、某戦争屋実況者好きですか？！言葉選び見てたら何となくかんじただけです。突然失礼しました。。応援してます！ (2020年8月11日 17時) (レス) id: 3df50c7f72 (このIDを非表示/違反報告)
えむあんどえー(プロフ) - 英里佳さん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！かっこいい彼を文で表現出来たのなら嬉しいです！続編も頑張ります！ (2020年5月31日 1時) (レス) id: 1b31a8cf99 (このIDを非表示/違反報告)
英里佳 - 初めまして。読みました！快斗くんかっこいいですね！続編みたいです！ (2020年5月30日 23時) (レス) id: 53aa3a6253 (このIDを非表示/違反報告)
えむあんどえー(プロフ) - ゆうさん» 破局から始まり、破局で終わってしまいました……笑。そしてコメントありがとうございます！ (2020年5月30日 21時) (レス) id: 1b31a8cf99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむあんどえー | 作成日時：2020年5月23日 21時
