そばにいさせて 3【怪盗キッド】

重ねたポーカーフェイス 2 ページ32

学校へと向かう道、2人入れ替わった姿で登校する。






なぜ入れ替わってるかと言うと……。



次の宝石を盗む時、私は最後キッドの姿をして逃げ回る必要があり、見破られないために学校でポーカーフェイスの練習をしようとなったのだ。


確かにお互いのことはよく知ってるつもりだが……。




「やっぱり緊張するなぁ……青子ちゃん大丈夫かな」




「青子さえ騙せたらあとは大丈夫だって！」




お互い声が入れ替わってるのですごい違和感を感じるが、慣れるために心を少し無にした。





快斗と幼なじみの青子ちゃん。


そう、幼なじみということでバレるんじゃないかと少し不安なのだ。







「バレたらどうしよう……」



「大丈夫大丈夫。バレたら速攻トイレに駆け込んで変装解けばいいんだから」



「……男子トイレから私が出てくるとか嫌だなぁ」



「んな事言ったら女子トイレから俺が出てくる方が嫌だわ！」





快斗と言い合ってた時、快斗の肩を叩く誰かの手が見えた。



2人で振り返る。




「Aちゃん！快斗！おはよ！」





1番の難所、青子ちゃんだった。




(初っ端から青子ちゃんかぁぁ！！)





引きつる顔を抑え、ポーカーフェイスを保つ。






「おはよう、青子」




よし！割と自然！



「青子ちゃんおはよう！今日も可愛いね！」



「いやん、Aちゃん。照れちゃうよ」





青子ちゃんが快斗の腕に絡みつく。




快斗と青子ちゃんが仲良く腕を組む姿は全く想像できないが、私の姿をした快斗の為周りから見たら違和感はないのだろう。




私は口をとがらせ、青子ちゃんの襟元を掴みひっぺがした。




「朝からうるせー。離れろ」




(青子ちゃんごめんね！！ごめんね！！ちょっとヤキモチ感じる！これはさすがにヤキモチ来るわ！！)



心の中で物凄く土下座をした。

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