そばにいさせて 3【怪盗キッド】

私達を繋ぐもの 22 ページ23

「新一!!もしかしてスコーピオンが!!」



「なっ!?Aなんでついてきた!!」



「私はスコーピオンを許さない!!一発殴ってやるんだから!!」



「だからって、オメーを危険な目に合わせるわけにはっ!!!」

「んぎゃっ!!」




コナン君と私は何かにつまずき転ぶ。

足元を照らすと、そこには乾さんが片目を撃たれて亡くなっている遺体があった。




「くっそぉ!!」




コナン君は再び立ち上がり、走り出す。

私も立ち上がり、ついていく。





すると遠くから低い機械音が聞こえてきた。

階段を駆け上がると出入り口の扉が閉められていた。


「しまった!!」



「ぐぎぎぎぎ!!」



私は力任せにこじ開けようとするが、ピクリともしない。

コナン君が壁を照らしながら周りを調べる。





「あった!中から扉を開けるスイッチだ!A離れてろ!」





私はコナン君の言葉通り、扉から離れる。

コナン君が壁のスイッチを押すと、ゆっくりと扉が開かれた。




すると扉から灰色の煙が入り込む。

煙が喉をひっかけ、息を止める。

あまりの苦しさに咳き込んだ。


「ゲホッゲホッ!!」



「A大丈夫か!」


コナン君が私にハンカチを渡す。





「新一も口元ふさがないと!」



「バーロー!!ｵﾒｪｰに何かあった時の方が嫌なんだよ!!」




そう言うと、コナン君は私の横を通り抜け出口へと走り出す。




「プロポーズかよ!」




私はコナン君に貸してもらったハンカチを口に当て、続いて出口へと走った。


煙は部屋中広がっており、炎が燃え上がっている。

きっとガソリンを撒いて、火をつけたのだろう。




コナン君が甲冑の間の扉前で立ち止まる。



「.....新一、何するすもりなの」



「犯人を追い詰める。弾の数に限りがあるだろうし」



「私も手伝わせて!」



「さっきも言ったろ!ｵﾒｪｰに何かあった時がーーーーー」



「私だって!!!嫌だよ!!幼馴染に...新一になにかあったら...」



コナン君の言葉に重ねて怒る。

そして私は彼の目をとらえながら続けて話した。




「それに、蘭にこれ以上悲しい顔させたくないでしょ？船にいたときから、ずっと新一の事不安そうに見てたよ」




コナン君は下を向く。

炎が次第に大きくなっていき、奥の廊下の壁が崩れ落ちた。




「....わーったよ。だけど、無茶はするなよ」




「新一もね」





そして私たちは物陰に隠れながら甲冑の間へと入って行った。



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