そばにいさせて 3【怪盗キッド】

私達を繋ぐもの 14 ページ15

車を走らせ、坂を登っていく。



木々の間から大きな城が見えてきた。





城に着き、私たちは車から降りた。

蘭が顔を上げて城を眺める。



「うわー!本当にきれいなお城!」

「雰囲気出るね」


すると白鳥刑事が私の隣に立つ。




「Aさんはおっちょこちょいと聞きました。ケガしないように、私から離れないでくださいね」




「はい。...いや待ってください、誰ですか。おっちょこちょいって言った人は」




私は蘭とコナン君を見るが二人に首を傾げられてしまった。

二人の反応に口をとがらせる。



が、その時ふと一つ疑問が生まれた。



(そう言えば...船内で私のこと名前で呼んでたけど。いつ私の名前知ったんだろう...)




白鳥刑事の顔を見ようとした瞬間、後ろから車のブレーキ音が聞こえた。



全員、振り返る。

そこには阿笠博士の車が一台停まっていた。



中から子供たちが出てくる。

蘭が驚いた声で質問した。




「博士...どうしてここへ？」




「いやぁ、コナン君から電話があってな。ドライブがてら来てみたんじゃよ」





そう答えた博士は、コナン君に近づきしゃがむ。

そして何かこそこそと渡しているのが見えた。





するとまた門の方から赤い車がやってきた。



車から降りてきたのは、美術商の乾さんだった。




「わるいわるい。準備に手間取っての」


と言いながらリュックをしょってきた。



これで全員そろった。




皆中に入ろうとするが、蘭はコナン君をじっと見て動かない。



「蘭、気のせいだって。行こ？」



「う、うん」


蘭は納得していない様子だ。



(快斗にお願いすれば疑惑がはれるのになぁ。....無事でいてよね)




私は胸元にあるリングを服の上から触れた。

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