そばにいさせて 3【怪盗キッド】

私達を繋ぐもの 4 ページ5

西野さんが少し大きめの木箱を運んできた。


そして先ほど座って挨拶をしていた人たちは扉から去っていく。




「会長、エッグをお持ちいたしました」




西野さんは木箱を机の上に置く。




「エッグ見せてくれるんだ」



蘭が嬉しそうにつぶやく。


園子が目を細めて話した。



「大したもんじゃないよ。子供のころ、私が知らないでおもちゃにしてたぐらいなんだから」




そう言いながら机の近くまで歩く。




「よく壊さなかったね」



「それはどういうことよ、A」





私たちはソファーに座った。




木箱がゆっくりと開けられる。


中から卵の形をした緑色の飾りが現れた。

綺麗な銀模様の花がついている。



「実物綺麗・・・」




私がつぶやくと蘭が首をかしげた。




「A、見たことあるの？」




「え、あ、写真でね!」




本当は作戦会議の時、快斗から写真で見せてもらったのだ。


視界の端っこでコナン君が私を見ているのがわかるが、ガン無視を決め込む。




「なんか思ってたよりもパッとはせんな」




服部君が腕を組む。



園子のお父さんが卵の上部分をつかみ、中を開けた。

中には金でできた小さな像が入っている。



一人の男性が本を広げ、周りに人が集まっているようだ。






「このエッグには面白い仕掛けがあってね」





園子のお父さんが小さい鍵を取り出す。


そして鍵をエッグの側面にはめ回した。




すると中にあった金の像が浮かび上がり、真ん中にいた男性が本をめくり始めた。



全員立ち上がり、凝視する。




「メモリーズ・エッグっていうのは、ロシア語を英語にした題名なんですか?」




蘭が質問をする。



「そうだよ」



園子のお父さんは資料を手に取り、私たちに見せる。


「日本語に直すと、思い出だそうだ」

すると今度はコナン君が質問をした。




「ねぇ、なんで本をめくってるのが思い出なの？」


この質問に蘭のお父さんが答える。


「ばーか。皇帝が子供たちを集めて読み聞かせをしているのが思い出なんだよ」


「子供想いの人なのね」



突然服部君が手を顎にあて、こうつぶやいた。



「そういえば・・・キッドの予告状で気になることがあんねん」





この言葉に私はドキッとしてしまう。

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