そばにいさせて 3【怪盗キッド】

私達を繋ぐもの 20 ページ21

赤いエッグに小さいエッグをはめる。


ぴったりとあてはまった。




「二個で一個のエッグを作ったんですね」



セルゲイさんの言葉にコナン君が顎に手を置き、考え込む。

私はまじまじとエッグを見た。



「うわぁ、綺麗。キラキラ光ってる」

「見事なダイヤだな」


蘭のお父さんの言葉に夏美さんが反応する。



「これはダイヤではなく、ただのガラスじゃないかしら」




この言葉にコナン君が目を開き、駆け寄ってきた。



「セルゲイさん!!そのエッグ貸して!」



セルゲイさんは言われるがまま、コナン君にエッグを渡した。

そして白鳥刑事に顔を向ける。



「白鳥刑事!ライトの用意を!」




二人は真ん中の台座に向かって走り出す。



コナン君は続けて指示をした。




「ライトの光を細くして、台座に差し込んで!そしてろうそくの火を消して!」



白鳥刑事は言われた通りに準備をする。

ろうそくの近くにいたセルゲイさんと青蘭さんは火を消した。



皆台座に近づく。


そしてゆっくりと卵を置いた。




「えっ」





エッグが光り始め、中が透け始めた。

ねじを回していないのに、中の金の像がせりあがってくる。


金の像の男が本をめくった瞬間。





光がエッグから散らばる。



「なんだこれは!!!!」



全員が光の方へと顔をあげた。



「「わぁ....!!」」





いたるところに微笑ましい白黒の家族写真が散らばる。



蘭のお父さんがつぶやいた。


「そうかぁ。エッグの中にある本は、ただの本じゃなく...」

蘭が続けてつぶやく。


「アルバム...」



コナン君が納得したような顔をした。


「だからメモリーズエッグだったってわけか」


「キッドは...これを見せようとしたのかなぁ」


「...かもな」



私のつぶやきがどうやらコナン君に聞こえていたようで、肯定的な返事が来るとは思わず少し驚く。






「あれは曽祖父...じゃあ、隣がひぃおばあ様...やっとお顔が見られた」



夏美さんは二人で映っている写真を見て、目に涙をためる。




そしてゆっくりとエッグの光が消えていったのだった。

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