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◆ 夏恋花火 5 ページ10

「りょう先輩、お待たせしました」

り「あ、浴衣勝負勝ったんだね」

「はっ...はい」

り「可愛いじゃん」


なんてキュンキュンワード頂けたと思ったら、りょう先輩の大きな手が頭に伸びて、ぽんぽんと優しく触れた。

なっ、なんなのこの人!!!
もうりょう先輩じゃないよ、アイドルみたい、これはやばい!!

女の子をキュンキュンさせるために生まれたとしか思えない。


「りょう先輩も浴衣...」

り「うん、Aが浴衣着てくるんだから俺も着ないと。お祭りなんだから」

「あ...似合ってます」

り「ほんと?嬉しいなぁ」


嬉しいなぁって!!
私の言葉で喜んでくれてる!!
何度も言われてるであろうこんな言葉でも喜んでくれるりょう先輩さすがすぎる。


り「じゃあ行こっか」


もうすぐ花火が打ち上がる時間になる。

りょう先輩はすごくいい場所を知っていると誘ってくれた時自信満々に言っていた。

りょう先輩がそう言うんだから、かなりいい場所なんだろう。


り「大丈夫??」


屋台が並ぶ道に入ると、駅よりもさらに人が多くなって、歩幅が合わないりょう先輩の背中を追いかけるのが精一杯。

見失わないようにって、一生懸命追ってたから、りょう先輩が心配して止まってくれたのにも気付かず、りょう先輩の背中にコツンとぶつかってしまった。


「あああー!ごめんなさい」

り「いやいや、Aが痛かったでしょ?大丈夫?」

「私はぜんっぜん大丈夫です」

り「ならいいんだけど」


「早すぎたね俺」って、今度は歩くスピードを合わせてくれる。

やっぱりチラチラと私を確認しながら、歩いてくれてもう優しすぎて泣けてくる。

その時だった。

ドーンと大きな音が心臓に響いたのは。


それと同時に。


り「やば、始まっちゃった」


りょう先輩の手が、私の手を握ったのは。

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作者名:Ma | 作成日時:2018年8月10日 21時

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