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◆ 夏恋花火 3 ページ8

り「Aさ、彼氏いないの?」

「ふぁっ?!」

り「ふぁっ?!って笑」


駅までは数分、りょう先輩は足が長いから1歩進むだけでかなり遅れをとってしまって、遠ざかったと思ったら小走りでついて行くを繰り返していた時のことだった。


「なっ、なんでそんな事聞くんですか」

り「だって、彼氏さんいたら普通に嫌でしょ?」

「え?やっぱり2人きりで行くんですか?」

り「うん、そのつもりだけど...ダメだった?」

「いや!いやいや!ダメじゃないです!!」

り「なんだ、いやなのかと思った笑」


「じゃあ彼氏もいないんだね」って私を見下ろして笑う。

何その笑顔、かっこよすぎて怖すぎるよ。
どうすることもできなくて、ただ頷いた。

こういうとき「りょう先輩は彼女いないんですか」とか聞けたらいいんだけど、そんな勇気はない。

あ、でも私に彼氏いないか聞いていたってことはりょう先輩もいないから私を誘ってるのでは?

そうだよ、絶対そうだ、そういうことにしよう。


り「浴衣持ってる?」

「お姉ちゃんと共用のなら...」

り「あー、じゃあ着てこれるか分かんないんだ」

「着ていきます!絶対!!」

り「お姉さんとの戦いに勝てるの?」

「勝てるはずです!」

り「やっぱりどの家も妹は強いのかな?うちも妹強いんだよね」


あ、りょう先輩妹いるんだ。
きっと綺麗で可愛くて、スタイルいいんだろうなあ。

りょう先輩がお兄ちゃんなんて毎日近くに居られて羨ましい。
あ、お兄ちゃんなら好きになることもないか。


り「可愛い子の浴衣姿は見たいからね、よろしくね」

「かっ、可愛い....??」

り「うん、可愛い」

「がっ、頑張ります!!」


気合いの意味を込めて、エイエイオーってひとりで右手をあげるとりょう先輩もオーって一緒にやってくれて可愛すぎた。

電車はまさかの反対方面で、駅でお別れになっちゃったけど、りょう先輩はしっかり反対のホームまで送ってくれて、電車が動くまでずっと手を振ってくれていた。

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作者名:Ma | 作成日時:2018年8月10日 21時

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