◆ 夏恋花火 1 【RYO】 ページ6
夢かと思った。
あのりょう先輩から花火大会に誘われるなんて。
陸上部のマネージャーになったのは、お兄ちゃんここのが陸上部だったから。
他の部活はルールとかがよく分からなかったから、陸上部に入った。
1年生で入りたてだった私に1番に話しかけてくれたのはりょう先輩だった。
もしかしたら、お兄ちゃんの妹だからかもしれないけど、凄くうれしかった。
｢りょう先輩、お疲れ様です｣
り｢あ、Aありがとうね｣
あんなに走ったのに、全然息が切れてる様子もない。
この目で見てたしタイムだって計ってたんだけど、ほんとに走ってたのか信じられなくなるくらい、普通なりょう先輩に、スポーツドリンクを渡す。
｢あっ...あの｣
り｢ん？｣
｢あっ、明後日なんですけど....｣
り｢あぁ、花火大会のこと？｣
そう言って、ゴクンとドリンクを一気飲みしたと思ったらこちらを横目でちらっと見てるから、2回うんうんと頷いた。
り｢今は部活中だよ？マネージャーさん｣
｢あっ、ごっ、ごめんなさい！！｣
確かにそうだ。
こんなの話してる時間じゃない！！
りょう先輩もしかして怒ってる？！
思いっきり頭を下げると、キュッと目をつぶった。
するとすぐに笑い声が聞こえてきて、顔を上げるとりょう先輩は爽やかに笑ってて、本当に走ってきたのかやっぱり心配になる。
り｢そんなに謝んないでよー｣
｢ああいうバカたちもいるんだから｣ってりょう先輩が指さす先には、てつや先輩と同い年の早田くんが水道の水をかけ合っててあれはあれで元気すぎて、本当に走ってきたのか不安になる。
り｢俺も話さなきゃなぁって思ってたから｣
｢えーっと...｣
り｢部活終わったらここで待ってて？｣
｢え？｣
り｢一緒に帰ろう｣
そう言うと、りょう先輩は｢これありがとね｣ってドリンクボトルを私に手渡して、てつや先輩たちの方へ行ってしまった。
てつや先輩たちに注意するかと思ったら、早田くんと一緒になっててつや先輩に水をかけてて、すっごく楽しそう。
かっこいい所も、かわいらしい所も、その全部が私の胸をギューッとしめつける。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年8月10日 21時
