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◇ 藍色CANDY 3 ページ3

「てっちゃん今日はありがとうね」


たった2週間。
俺は何も変わっていないのに、Aはすっかり変わってしまっていた。

彼氏が出来たことだけじゃない、言葉じゃ言いきれないほどの何かが変わっていたように感じた。

今までは、俺が全部払っていたお金だって今日は割り勘だった。


「私、ひろくんがお迎えに来てくれてるから」

て「そうか、気をつけてね」

「てっちゃんもね!」


手を振りながら、駐車場の方へ向かっていくAは、すぐにひろくんを見つけたのか駆け足でその車に近づいていく。

俺のことなんて、見向きもせずに。


俺の予想が外れていたらという米粒程度の期待を込めて歩いてきたのになあ。

一緒に歩いて帰って、あわよくばまた誘えちゃう?なんて思ってたのに、その期待は一瞬で崩れ去って、1人で暗い道を歩く。

かなりみっともないけど、Aのすべてが愛おしい。

今さっきまで一緒にいたのに、もうほかの男のものなのに、凝りもせず俺はAだけを欲してる。

すれ違う人はみんな楽しそうなのに、俺は1人で足元を気にしながら歩いてる。


家に着いても考えるのはAのこと。

恋愛の成功率なんてね、本当に散々で、上手くいくことの方が奇跡なはずなのに、Aはあっという間に新しい人を見つけたの?

俺はAも、同じ気持ちでいてくれてるのかと思ってたんだよ、自惚れだったの?

ベットに沈み込んで、自分の孤独さを改めて感じる。


今日君にあって真実を知ってもなお、苦さだったり、愛しさだったり、いろんな感情が胸の中で転がってる。

まるで、まるで、それは飴玉みたいね。

早く包んでおかないと、感情が爆発してしまう。

俺はどうしたらいいんだろう。

本当にもう会えないのかな。

こうして人は大切な人を失っていくんだね。

来週はいつ会えるんだろ、

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作者名:Ma | 作成日時:2018年8月10日 21時

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