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◆ Lemon 9 ページ9

り「先生といる時間が楽しかった」

「それは私も同じかな」

り「先生が好きだよ」

「それはきっと先生としてだと思うよ」

り「違うよ」

「違うとしても、先生はその気持ち受け取れないもの」


この部屋で泣いた日、大会のメンバーから外された日、もうこんな苦しくて辛くて傷つくことこれ以上ないんだろうなって思った。

今、先生が放ったその言葉を受け止めた時
俺は、あの日以上に傷ついたかもしれない。

これ以上、苦しくて悲しくて傷つくことなんてきっとないって思った。



「元気でね」



俺が出ていくその時、先生がいったその言葉は今でも覚えてる。

悲しそうだったその顔だって忘れてはいない。

先生は、俺の光だった。

暗い道を明るく照らしてくれた。

先生と話してた時間はいつも楽しくて
明るくて、輝いてた。




窓から差し込むレモン色みたいな光を見て、先生を思い出すようになった。

本当に、先生はあの部屋からいなくなってしまった。

あれから国語の授業は別の先生になって、なんか違うなーと退屈になった。

あれから先生のことを思い出すと上手く息ができなくなるくらい、苦しくなる。

毎日会ってたから、会えないなんて嘘みたい。

早く忘れようと思えば思うほど、忘れることが遠のいていることに、子供の俺は気づかなかった。



その日は久々に、あの部屋の前にいた。
もちろん、先生はいないし、レモンティーも出てこない。


ずっと開けられなかった手紙を前に、俺は大きく息を吸いこんだ。


«

りょうくんへ

ほんの少しだったけどりょうくんと過ごした時間は楽しくて、何も無い私にとって明るい光のようでした。

これからは、私のことを忘れて素敵な恋をしてください。

りょうくんの幸せを願っています。
»

これが夢ならば、どれだけいいだろうか。

たった数行の文章に俺は、あの日以上に泣いた。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月5日 21時

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