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◆ Lemon 5 ページ5

与えられた仕事は
課題のワークブックを集めたり
黒板を消したりというごく普通なことばっかりだった。

なんなら、そんなこと日直が出来るし、なぜ国語担当が必要だったのか、クラス中がはてな状態だった。


り「はい、先生持ってきたよ」

「ありがとう」


今日は印刷室から明日の授業の資料を印刷したものを運ぶ仕事を任された。

これは重たいから先生じゃ大変だなって思いながら、か弱そうな先生のことを考える。


「りょうくんがいて助かっちゃうな」

り「まあ、雑用だからね」

「雑用なんて思ってないわよ?」

り「じゃあなんで国語の係なんて作ったんですか?」

「....それ聞く?」


「困ったなぁ」ってはにかむ先生。

全然困ってなさそうな余裕すら感じた。


「りょうくんが手を挙げてくれるんじゃないかなって思って」


その答えの意味を、俺は必死に探した。

足りない頭で一生懸命考えた。


り「それ、どういうこと?」

「これ以上はナイショ」


先生は、レモンティーが入ったカップを持っていない左手の人差し指を、口の前にもっていく。


その姿が、可愛くて、なんか、なんか


り「俺、先生のこと好きなのかな」


そんなことを言っていた。


「好きってどういう意味?」


やっぱり余裕そうに笑う先生。

俺はこんなにも先生に惑わされているのに。



「先生として?それとも...」

り「先生としてだよ」



それともの先を俺は聞かなかった。
だって、俺が好きなのかなと言ったのはもちろん先生としてではなかったから。


きっと、国語の係になったり、ナイショだよと言われてこの部屋に来たりして、自分は先生にとって特別なんだと勘違いしてたんだ。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月5日 21時

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