◆ Lemon 4 ページ4
気づいたら泣いてた。
このことでまだ1度も泣いていなかったのに。
溢れてくる涙がなんなのか、分かってはいたけど「なんで泣いてんの」と分からないふりをした。
「泣いてもいいよ」
ずっと俯いて涙が溢れてくるのをなんとか止めようとしてたから、先生が隣に座ってることなんて気づかなかった。
り「なんっ...で?」
なんで、昨日初めて話した俺にそんなに良くしてくれるの?って聞きたかったんだと思うけど、先生は先生だから、仕事だから、そうしたんだろう。
「はい、落ち着いたらこれ飲んで」
涙は全然止まってくれなくて、今まで自分が一生懸命やってきたことが否定された気持ちと、これからどうしたらいいのか分からない気持ちがぐるぐるする。
こんな悲しくて苦しい出来事これ以上あるわけないって思ってた。
り「レモンティーじゃない....」
「先生だって、レモンティー以外も飲むわよ」
り「そりゃそうか」
この日以来、俺は毎日先生のところに通って、雑談をしたり、苦手な国語の勉強を少ししたりした。
先生と少しずつ話をするにつれて、先生が気になるようになった。
ほとんど聞いてなかった国語の授業を聞くようになった。
少し成績が伸びた。
「それで、ひとり。国語の係をしてくれる人を探したいんだけど..」
その日、先生は今までどの教科にもなかった、教科担当が欲しいと言い出した。
なんでかはよく分からなかったけど、つまり雑用が欲しいってことか。
クラスメイトはわかりやすく「えー!」とか「誰やんの?」とかザワザワした。
し「ねえねえ、ジャンケンとかになったらどうしよ」
隣の席のしばゆーが俺の机をトントンと指でたたく。
り「俺やろっかな」
し「え?何言ってんの?自由な時間取られるかもなんだよ?」
り「はーい、俺やる」
気づけば手を挙げていた。
完全に興味本位だった。
先生に近づきたいと思っていた。
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月5日 21時