検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:39,741 hit

◆ Lemon 4 ページ4

気づいたら泣いてた。

このことでまだ1度も泣いていなかったのに。

溢れてくる涙がなんなのか、分かってはいたけど「なんで泣いてんの」と分からないふりをした。


「泣いてもいいよ」


ずっと俯いて涙が溢れてくるのをなんとか止めようとしてたから、先生が隣に座ってることなんて気づかなかった。


り「なんっ...で?」


なんで、昨日初めて話した俺にそんなに良くしてくれるの?って聞きたかったんだと思うけど、先生は先生だから、仕事だから、そうしたんだろう。


「はい、落ち着いたらこれ飲んで」


涙は全然止まってくれなくて、今まで自分が一生懸命やってきたことが否定された気持ちと、これからどうしたらいいのか分からない気持ちがぐるぐるする。

こんな悲しくて苦しい出来事これ以上あるわけないって思ってた。


り「レモンティーじゃない....」

「先生だって、レモンティー以外も飲むわよ」

り「そりゃそうか」





この日以来、俺は毎日先生のところに通って、雑談をしたり、苦手な国語の勉強を少ししたりした。


先生と少しずつ話をするにつれて、先生が気になるようになった。


ほとんど聞いてなかった国語の授業を聞くようになった。

少し成績が伸びた。



「それで、ひとり。国語の係をしてくれる人を探したいんだけど..」


その日、先生は今までどの教科にもなかった、教科担当が欲しいと言い出した。

なんでかはよく分からなかったけど、つまり雑用が欲しいってことか。


クラスメイトはわかりやすく「えー!」とか「誰やんの?」とかザワザワした。


し「ねえねえ、ジャンケンとかになったらどうしよ」


隣の席のしばゆーが俺の机をトントンと指でたたく。


り「俺やろっかな」

し「え?何言ってんの?自由な時間取られるかもなんだよ?」

り「はーい、俺やる」


気づけば手を挙げていた。


完全に興味本位だった。

先生に近づきたいと思っていた。

◆ Lemon 5→←◆ Lemon 3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
設定タグ:YouTuber , 東海オンエア   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Ma | 作成日時:2018年7月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。