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#06 怒る気にも。 ページ6

「じゃ、行ってくるねー!」

「りょうくん待って!俺のスマホは?!」


俺がソファーでいじけてうずくまってる間に話はどんどん進んでいたようで、顔を上げるとりょうとしばゆーがスーツケースをゴロゴロして出ていく姿が目に入った。


「何してんの?」

「あ!としみつおはよー」

「おう、てつやおはよー」

「いい朝だなぁ!!」

「って違う!!!全然違う!1ミリもいい朝じゃないからな?!」

「なんで?Aちゃんと沖縄旅行の日じゃん!」

「お前らのせいだって!」


こいつら何にも分かってない。
確かに、俺とAちゃんをうまいこと引っつけてくれたのはお前らかもしれない、けどなこんなことしていいと思ってんの?!


「ねえ、としみつ聞いてよ。てつや今日から3日間のために編集3本もう完成してるんだよ?すごくない?」

「え?それすごいじゃん」

「だろ?俺やればできる子だからさ」

「ならいつも怒られる前にやれよ...ってそうじゃないんだよなぁ...」


はあ...参った。
絶対なにかやるとは思ってたけど、さすがにここまでとは参った。

虫さんたちを信じた俺が馬鹿だった。
いつも何かをやらかすのは理系の2人だってことを忘れてた。


「大丈夫。邪魔したりはしないから」

「じゃあなんで一緒に岡崎から飛び立つのかな?」


虫さんがいつも以上に悪魔に見える。
てつやも隣で便乗してうんうん頷いてるし。


「それは、ねぇ?」

「俺絶対相手しねぇからな?」

「そんなこと言っていいんか?としみつ!」


こいつらもうなにか考えてるじゃん!
そんなの酷すぎるじゃん!!
俺どうしたらこれを回避できたか教えてくれよ。


「Aちゃんとの熱い夜だな!」

「そーですよ、だから邪魔しないで?払い戻ししてきてくれる?」

「当日はできないらしいよ?」

「まじかぁー...」

「知らんけど笑」


ねえ!悪魔!虫さんが悪魔!!
誰か退治して!!


「みんなおはよぉー」

「あ!ゆめまる!そこで寝てたんだ」

「うん、スーツケース持ってきたついでに泊まったの...」


こんな緊急事態に和室から出てきたのはゆめまるで、こいつらほんとに撮影する気あんのか?!ってくらいのんびりしてんじゃん。

もう怒る気にもならん。

#07 脅迫チック。→←#05 想定済みの事態。



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ma | 作成日時:2018年9月12日 12時

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