＃36 ラブい。 ページ36
この前はびしょびしょになりながら濡れることと戦ってたからゆっくり見られなかったけど、今日は全然大丈夫だしなんなら真ん中だからめっちゃ見やすい。
前のめりになってプールをガン見してる彼女がやっぱり可愛くて、ゆめまるが買ってきてくれたポテトを口にぽいぽい入れながらどちらかというとAちゃんを見ていた。
｢ん？｣
｢ん？｣
イルカが上に吊るされたボールにジャンプでポンって触れて、会場全体が拍手の渦に巻き込まれる。
虫さんが｢絶対てつやより頭いいよ｣って呟くと｢あん？！｣って怒ってる。
そんな時、Aちゃんは小さく拍手をしながら俺の方をちらっと見る。
｢イルカさんすごいね！｣
｢うん、賢いよなぁ｣
｢...あ！としくん、飲んでいいよ？｣
｢いいん？ありがと｣
ポテトで口の中がパサパサだったから、有難くそれを受け取ってストローを咥える。
って言うかなんで俺のなかったんだよ。
｢美味しかった？｣
｢うん、口ん中乾きまくってたから笑｣
｢あ！としくんずるい！食べたい！！｣
｢あ、食う？｣
ひとつポテトを取ってみせると、｢うん！！｣って頷くから、周りとかなんにも気にせずに｢ん｣って口に近づけると｢あーん｣って口を開けるからそこに入れてあげる。
｢ありがとう｣
｢ん、また食べたかったら言ってね？｣
そう言うと、また右手が俺の左手に伸びてきて手が重なる。
ほんとに可愛いなって指をからめる。
イルカが大技をやると必ず俺の方を振り向いて、俺も見てるのに｢ねえ！今とんだよ？！回ったよ？！｣って報告してくれる。
｢あっ！また飛ぶんじゃね？！｣って前のめにりなると｢ほんとだー！！｣って一緒になって前のめりになって喜ぶ彼女が本当に愛しかった。
｢凄かったねー！｣
Aちゃんがそう言うから、｢イルカありがとう｣って心の中で感謝。
ショーが終わって、ズラズラと帰ったいく人達を見送るようにずっと座ったままでその波が途切れるの待つ。
｢いや、ほんとにお前らラブいね｣
繋がれた手を指されて、ちょっと恥ずかしかったけどラブラブなんて嬉しい。
｢ポテトあーんはキュンときた｣
｢あ！それ僕も言おうと思ったのに言われた！｣
｢お前らイルカ見ろよ！！｣
｢隣にこんなに面白いのあるのに見ないわけないじゃん｣
Aちゃんごめんねって申し訳ない気持ちで彼女を見たけど、｢ポテト美味しかったよね？｣って全然気にしてなかったから俺も気にしないことにしよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ma
| 作成日時：2018年9月12日 12時
