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#03 浮かれすぎとは。 ページ3

普段こんなに勉強することなんて滅多にないのに、俺はちゃんと本屋さんで「沖縄」と書かれた本を買って暇さえあればペラペラしてた。

Aちゃんは初めての飛行機、初めての彼氏との宿泊旅行、初めてだらけだから絶対失敗できない。


「まーた浮かれとる」


隣で虫さんがちらっと俺の本を見て、またスマホに目をやる。


「そりゃあ浮かれるよ!沖縄だぜ?」

「あれいつだっけ?大人だから沖縄なんて楽しくないって体で沖縄行ったのにね」

「バッチリ楽しんだけどな!!」


沖縄話を聞きつけてきたように、てつやが自分の部屋から戻ってきて俺の向かいに座る。


「あの二人三脚普通に辛かったわ。というかウザかった笑」

「もうてっちゃんとは3日くらい会わなくていいなって途中思ったわ」

「奇遇だな!俺もだ!!」


沖縄はこのバカたちと行っても楽しい。
大好きなAちゃんと行けたら、それはそれは夢の国だと思う。


「え?もう海行けんの?」

「行けるらしいよ?予約取れるのが3月以降で、この辺から海開きするらしい」

「俺も行きたい!」

「え?行っちゃう?」

「まじでー?!」


意外にも虫さんが乗り気で、てつやがわざとらしく喜んでる。

いやいや、なんか勝手に話が進んでるけどそんなの絶対困りますから。

俺とAちゃんの記念すべき初旅行にこいつらが関わるなんてそんな最低なことないからね?


「そんなありえん事言ってないで、てつやは編集したら?」

「いや、ありえるかもしれん!」

「お前、言っとくけどマジで来んなよ?」


こいつならやりかねないから、一応釘を指しておこう。

まあ他のみんなもいるし、3日も4日も連続で撮影休むわけがないし、大丈夫だと思うけどさ。


「虫さん!としみつが盛大なフリしてくる!」

「フリじゃねーよ!!」


Aちゃんとのイチャイチャ生活を邪魔しないでほしい、ほんとに切実に。

虫さんが「邪魔しちゃいけないよてつや」ってお母さんみたいなことを言ってこの話は収束して助かった。

俺の「沖縄」本にはたくさんの付箋がついて、泊まりたいホテルとかも決まりつつあった。

Aちゃん水族館大好きだから、喜んでくれるといいなあなんて、完全に浮かれすぎな毎日を過ごしてた。

#04 ふわふわ。→←#02 数日前のこと。



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ma | 作成日時:2018年9月12日 12時

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