#18 最高の景色。 ページ18
落ち着かない。
落ち着かなくて、そわそわする。
あの日、初めてAちゃんといけないことをした時みたい。
今日はその時よりも直接的...?!
いやいや、そんなことを考えちゃいけない。
「私色々準備したら行くから」って言われて、先に入ったのは言いものの。
色々準備するって言葉にもう若干やられたし。
もう耐えらんない...
こんなに静かで穏やかな綺麗な海なのに、全然落ち着いて見れなくて、頭までお湯に沈めた。
「うわっ!!」
息が持たなくなってお湯から顔を上げると、そこには大きいタオルで身体を完全ガードしてるAちゃんが立っていた。
「としくん、何してるの?」
「あっ...せっ...潜水ごっこ?」
「潜水って、体沈めたら潜水じゃなかった?」
「あっ...そっ..そうですか...」
「ふふ、潜水ごっこ楽しかった?」
「うっうん!楽しかった...!」
「私も入ってもいい?」って風呂のふちまできてしゃがみこむ。
俺が最近一番好きなお団子頭なAちゃんから見下されてるわ、尊い。
「どうぞ。まじで気持ちいいよ?」
「失礼します」
真っ白な脚がちゃぷんと音を立ててお湯の中に...って、そんなことしか考えてないから落ち着かないんだわ。
気持ちを海にそらそう。
「としくん!海!!」
「めちゃくちゃ綺麗じゃね?」
「やばい!本当にいいお部屋だねえ」
「でっしょ?」
褒められてるのはホテルなのに、俺のことみたいにドヤ顔をする。
「最高の景色だね」
うんうん、綺麗な海とタオルで隠れてるけど綺麗なAちゃん。
最高の景色だ。
「Aちゃん、好きだよ」
「ふふ、私も大好きだよ?」
「さっき、海のところでさ、これ言いたかったんだけど恥ずかしくて」
「あ!やっぱり?!なんかそうかなって思ってたの」
「バレてたん?」
「おいで」って自分の前にAちゃんを座らせると、後ろからお腹に手を回す。
「いい匂い」
肩に顎を乗っると、いつものAちゃんの匂い。
シャンプーの匂いかボディーソープの匂いかわからんけど、クラクラする。
「としくんはちょーっとお酒の匂いする」
「えっ?!それって臭いやん」
「きゃっ、としくん!お湯掛った!笑」
「えっ、ごめん笑」
思いっきり体を離したら、お湯がバシャンとはねた。
「ずっとこうしてられたらいいのに」
回した手はそのままで、そう呟いた。
後から抱きしめててよかった、俺今の顔大変なことになってそう。
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作者名:Ma | 作成日時:2018年9月12日 12時