＃01 数週間前のこと。 ページ1
｢腹が減った｣
りょうが放った日常すぎる言葉によって、りょうとてつやと俺で飯を食べに行った。
その日の撮影はそこまでハードじゃなかったのに、2人は飲む気満々で、俺はそこまでの気分じゃなかったけど2人に飲まされたら大変だからって意味も込めて電車で移動することになった。
｢としみつのグラサン逆に怪しいよね｣
｢としみつはバレたくて変装してる風味を演出してるだけだけ｣
｢あーそゆことね｣
駅のホームで視聴者に会ったから、3人で写真に対応したあとのこと。
りょうおすすめのオシャレな居酒屋に向かう途中で、そんなことを2人が話してたけどあんまり気にならない。
俺は見てしまった。
大きな駅には必ずと言っていいほどある旅行会社のポスターを。
別にその旅行会社自体は見慣れてるものだし、こんなに胸踊るものではない。
｢ここ、ここー！うわー、久々｣
そのことをずっと考えていたら店についたらしい。
外見は普通にありそうな居酒屋さん。
2人に続いて入ってみればかなりオシャレな内装。
中だけ見たら全然居酒屋じゃなくてカフェって感じ。
そのせいか女の人も多い気がする。
｢としみつぼーっとしすぎ！！｣
｢ん？え？俺？｣
｢全然話に入ってこないじゃん！飲み足りないんじゃない？？｣
もう完全に出来上がってるりょうは、酔ってますって感じのヘラヘラした喋り方で俺のグラスを見る。
いつもが紳士すぎるから、ベロベロなりょうほど怖いものは無い。
飲み足りないんじゃない、目の前で潰れそうなてつやを見ながら隣のあなたの相手をしているとね、自然と気持ちが落ち着くってやつ。
俺まで潰れたら、誰が家までちゃんとすんの。
｢そーいえばさー、俺好きな人できた｣
｢はっ？！｣
酔ってるからほんとなのか嘘なのか分からんけど、隣の元紳士現ただの酔っぱらいがそう言った事実は間違いない。
｢やっぱとしみつたち見てていいなぁって思ったわけ｣
｢誰？｣
｢あー？なーいしょだよ｣
｢あっそ...｣
｢かーわいいんだーそれがさ！｣
酔ってるからほんとなのか嘘なのか分からんけど、りょうの隣を歩くなら、それなりの身長とそれなりの顔じゃないといけないから大変だな。
これはまた酔いが覚めたら、問い詰めるってことで。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ma
| 作成日時：2018年9月12日 12時
