＃89 闇と光。 ページ45
そう確信した俺は、俺が思ってたより冷静に
«りょうくんと付き合ったん？笑 »
なんて間髪入れず返してた。
まだ夢であってほしいという気持ちから、自分が普段呼ばないようなりょうくんと打った。
りょうって呼んだら、もういつも一緒にいるりょうじゃん。
完全敗北、確定やん。
« ないないー！»
« でも、ご飯何度も行くほど仲良しやん！狙われてるとか？»
そんなの嫌だ。
なんでこんなことペラペラと送ってしまうんだろ。
こんなこといったら、Aちゃんがりょうのこと意識して、そういう風になってしまうかもなのに。
« そんなことあったら、私幸せ者だね(キラキラ)»
ああ、多分俺はAちゃんが、
｢私にはとしみつくんがいるから｣とかなんとか
言ってくれることを勝手に望んでたんだろう。
とんだうぬぼれ者だ。
«付き合ったらお祝いだからすぐに教えてね »
自分で蒔いた種なのに、この話が辛すぎてさっさと切り替えようって、思ってもないことをまた送ってしまう。
それは絶対ないけどね、と返信してくれたことだけが唯一の支えだったけど、あの爽やかイケメンハイスペックりょうが告白してきて断る女の子がいるだろうか。
いや、いない。
« としみつくん、明日一緒に帰れますか？»
このままLINEが終わると思って、枕に顔を沈めていたら、こんな文章。
明日は普通にてつやの家でぐだるだけだから、余裕で帰れる。
なんなら、言われなくても待ち伏せしてたかもしれない。
«うん、帰れるよ »
«じゃあ、先に終わった方が待ってましょうね！電柱で！！(笑) »
俺がいつも待ち伏せしてる、Aちゃんの店の前の電柱のことだろう。
« りょーかい (￣^￣ゞ»
かなり暗闇にいる気分だったのに、この約束をしてくれるってことは、まだ期待していいのかなって光もあった。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年6月18日 19時
