恋した緑くんのお話。(仮) 2 【東海オンエア】 (ページ33)

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＃77 嫌な事。ページ33

俺が塞ぐ手の下で、てつやは何やらごにょごにょ喋ってる。

｢ちょーっと！としみつ！！そんなの酷くね？｣

俺が無理やり塞いでる訳では無いことに気づいて、顔を動かしたてつやが言う。

｢お前がこの話に参加するとまた何が起きそうでやなんだって｣

｢ぶーぅ、俺ととしみつの仲やんー！！｣

今だけはその仲をそっとしまっておきたいくらい、お前に関わると嫌な事しか起きないんだって。

｢付き合ってなければ何も変わんなかったよ｣

｢手繋いだ？｣

｢触れることはあったけど繋いではないかな？｣

｢写真は？｣

｢何枚か撮ったかな？｣

｢なんで全部不確かなの笑｣

虫さんの質問攻めになんとか返答しながら、昨日のAちゃんとの距離を思い出すとニヤけそうになる。

｢まあ、としみつが楽しかったならいっか｣

｢あ、ゆめまるが被ってくれてる｣

りょうがうまく話をまとめて、これで昨日の話は終わるぞと安心した。

そしてゆめまるが結構かぶりもの似合うって言うことが判明。

｢じゃ、次こそ告白だ！！｣

｢だーかーらー！！｣

この好きが、付き合いたいとかの部類なのか今の俺にはまだ判別できてないんだって。

この好きが、ちょっと可愛いから気になるな程度なら、告白なんてしなくていいんでしょ。

だって、告白したら断られるかもしれないんでしょ？

そしたら今のふわふわした楽しい日常は消えちゃうんでしょ？

それなら、俺は、このままでいい。

このままがいい。

｢あ、そういえばとしみつお前にミッションがある｣

動画の撮影を終えて、帰り支度をしている時だった。

てつやがいい笑みを浮かべながらこっちに近づいてくる。

｢嫌な予感しかしない｣

｢お前に拒否権はない！！｣

｢は？拒否する！｣

なんで何も言われてないのに拒否権剥奪されてんだよ！

嫌な事しか起こる気がしない。