恋した緑くんのお話。(仮) 2 【東海オンエア】 (ページ28)

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＃72 ある意味。ページ28

それはある意味当然の結果で。

案の定俺は、ショーが終わる頃には
あの日のてつやみたいな風呂上がり状態。

途中からはショーどころじゃなくなって、
Aちゃんの嬉しそうな顔を見るのと、降りかかる水との戦いで精一杯だった。

持ってきたバンドのタオルを頭にかぶってたから、直接的には濡れなかったはずなのに、タオルがただ死んだだけでそんなに守ってもらってなかった感がすごい。

｢としみつくん？！｣

｢びっしょびしょだ笑｣

｢えっ？！私、なんにも気にしないでいるか見てた...｣

それはそれですごいわ！

そんなところも素直でかわいいって思う俺はかなり彼女に夢中らしい。

｢私がカッパ取っちゃったからー...｣

そう言いながら、Aちゃんはカバンからハンドタオルを取り出して、肩をポンポンと拭いてくれてる。

｢あっ...ありがとう｣

これはある意味、びしょ濡れもラッキーかもしれん。

こんなさり気ないボディータッチいただけるとは思っておりませんでした。

｢あと冷たいところない？｣

｢まあ時間が経てば乾くよ、ありがとうね｣

ハンドタオル越しのボディータッチを十分に受け取って、もう気持ちが限界だったから、名残惜しかったけどやめてもらうことに。

｢ちゃんと乾くかなー｣

｢乾く乾く！帰る頃までには普通になっとるから笑｣

ショーの会場にはあんなにたくさんの人がいたのに、今残ってる俺らが最後みたい。

｢じゃあ行こっか｣

｢としみつくん、カッパありがとう｣

｢Aちゃんが守れたなら十分です｣

｢私が前がいいって言ったのにー...｣

｢もうそれはいいの！｣

そういった瞬間、彼女の手に俺の手がちょんと触れた。

｢あ！としみつくん手まで冷たくなってる！｣

｢えっ...｣

｢こうしたらあったまるかも！｣

｢あったかくなーれー｣って祈るように両手を握る彼女。

手よりも先に心が熱すぎるんですが。
顔赤くないかな。

ある意味、カッパ買い忘れて正解でした。