恋した緑くんのお話。(仮) 2 【東海オンエア】 (ページ24)

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＃68 距離。ページ24

その場所は海から結構近いみたいで、車から降りると微かに潮の香りがした。

｢としみつくん、運転お疲れ様です｣

｢いえいえ、こんなのお安い御用｣

運転してる時もいちいち俺を気遣ってくれたAちゃん、いい子すぎて泣けてくる。

会話に困らないかな、とか昨日色々心配して、話すこともたくさん考えたんだけど、Aちゃんが色々振ってくれるおかげでその心配もなく、無事に水族館に到着した。

｢どうやってまわる？｣

｢まずはイルカショーの時間チェックじゃない？｣

｢そうだね！｣

中に入ると水族館ならではの涼しさと、暗さに包まれ、目の前には早速大きすぎる水槽。

彼女はパンフレットを開いて、イルカショーの時間を調べてくれているようだ。

｢13時が1番良さそうですね！｣

｢じゃあ、それにしようか｣

時間までににイルカショーが行われる場所に行けるように回るルートを決めて、歩き出したのはいいもののいい距離感が分からず、少し後ろめを歩きながら、

髪飾りのキラキラも可愛いなあ、なんて呑気なことを考えていた。

しかし、俺には交換条件も残っている。
交換条件の話を聞いた時にぱっと思いついたのが、あっさり手を繋ぐとかだったけど、この距離だと厳しい。

｢としみつくん！見てみて！ニモー！｣

彼女がいきなり振り返ったと思うと、手招きしてる。

俺を呼んでると思うだけで、ニヤニヤが止まらんし、可愛すぎる。

｢なんでそんなに遠くにいるの！！｣

｢あー、ごめ！ちょっと考え事！｣

｢もー！私だけはしゃいでて恥ずかしいじゃないですか｣

俺もめちゃめちゃはしゃいでます。

もちろん、1人だけはしゃいでても可愛いです。

｢なんでそんなに何回も確認するのさ笑｣

それ以来、たまにチラチラ横を歩く俺をみてくるAちゃん。

｢としみつくんがまた後ろにいたら恥ずかしいから！！｣

｢もう大丈夫だって！｣

この距離なら、周りからカップルとか思われちゃってるんじゃないのかな、ってあの日の浮かれモード再来。