＃66 緊張。 ページ22
あのチケットの水族館はAちゃんも行ったことがあるようで、その話に花を咲かせてしまい、結局日程が決められず帰宅。
色々することを終わらせて、編集でもするかとベットに腰掛けると、AちゃんからのLINE。
« そういえば、としみつくんのお休みは？»
俺は、最悪土下座すれば休めるからな。
東京に行ったり、大事な撮影だったりすることがこんな1週間前に決まるわけないし。
でもここで休みを言わなきゃおかしいしなあ。
« 俺は月と水かな»
Aちゃんの休みがわからんから、緊張しながらも適当に2つ答えてみる。
これで被ったらその日に行けばいいし、被らなくても変えてもらうって言えばいいやって思ってた。
« 私も水曜日おやすみー！！じゃあその日だね»
« じゃあ来週の水曜日にね»
平然を装ってLINEを返していたけれど、
顔はにやけっぱなし。
Aちゃんからはこの間のくまがウキウキしてるスタンプが送られてきた。
俺、今ならこのくまと踊れる気がする。
・
・
・
｢おはよう｣
｢おはようございます！｣
そして、デート(仮)当日。
デートとかって、待ち合わせからドキドキだけど俺らはそんなこともなく、待ち合わせ場所はアパートの駐車場。
Aちゃんは、いつものポニーテールとかじゃなくて、もっとおしゃれな髪型に可愛いキラキラがついたゴム。
服装もいつもみたいな軽装じゃなくて、水族館にぴったりな涼しげなワンピース。
｢なんか、変な感じ｣
こんな時、てつやとかりょうなら｢可愛いね｣なんて言うのかな？
そんな気の利いた事、俺には言えないけど。
｢じゃあ、行こっか！｣
昨日一生懸命掃除した車の助手席を開ける。
中はもちろん、窓までピカピカだ。
｢としみつくんって綺麗好きなんだねえ｣
｢ま、まあねぇ！！｣
｢お願いします｣
俺が運転席に座ると、ぺこっとお辞儀をする彼女。
さあ、ド緊張の1日が始まる。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年6月18日 19時
