#43 看病。 ページ44
としみつは寝てるの、ってベットに誘導されたから眠くもないけどまた横になる。
こんなにゴロゴロしてるほうが逆に体調悪くなる気がするわ。
「としみつー、冷えピタ」
「それ子供がつけるやつやん」
「大人もつけていいの!」
無理やり冷たいあれをおでこに貼られて、ひんやり冷たい。
身体中が熱すぎるから、全身に貼りたいわこれ。
「この前てつやにつくったおかゆ同じの作ったから食べる?」
「食べる...」
「じゃあ持ってくる」
虫さんは、おかゆと野菜ジュースとゼリーを持ってきて、ベットの横に座った。
「机の上に置いとくね。他になにかすることある??」
「今日は撮影どうだったの?」
あつあつのお粥をフーフーして食べる。
病気になるのが久々だから看病なんて久しくされてなくて、この味の薄いお粥すらも優しく美味しい味な気がする。
「ん?普通に終わったよ、今日もてつやがさー」
虫さんは編集に忙しいみたいで、パソコンを開きながら今日のことを話してくれた。
俺も行く予定だったから迷惑かけてたかなって心配したけど大丈夫だったみたい。
「そういえば、Aちゃんと連絡先交換したよ」
「えっ?やるじゃん」
「俺もなんで出来たかよく分からんだけどさ」
「なにそれ笑」
だって、Aちゃんが気を利かせてくれたというか、なんというか、ラッキーすぎるタイミングだったんだもん。
交換までの流れを話すと虫さんも「それはラッキーすぎる」って笑った。
「でも、としみつ着実にAさんに近づいてない?」
「虫さんはさ、俺はAちゃんとどうなりたいんだと思う?」
「え?それ僕が決めていいの?」
いや、もちろん嫌なんだけど。
俺一人で考えても埒が明かないからさ。
「それはもうとしみつが知ってるんじゃない?」
虫さんは風邪の看病だけじゃなくて、恋の病まで看病してくれるらしい。
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作者名:Ma | 作成日時:2018年6月4日 20時