恋した緑くんのお話。(仮)【東海オンエア】 (ページ36)

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＃35 会えない。ページ36

あの後、アパートが同じだったことから何から何まですべて話したから、てつやがストーカーしてくることも、詮索してくることもなくなった。

それと同時に、彼女に会うこともなくなった。
帰り道に会うようになって、会えないって思っても3日とかだったのに、もう1週間になる。

Aさんに会うために毎日歩いててつやの家まで行った。

けど会えない。

ちょっと時間をずらしてみたり、フォトスタジオの前で少しウロウロしてみたりした。

けど会えない。

なんでだろう？
やっぱり怖いなとか思われた？
彼氏が出来てそっちにいったとか？
ほかの系列店の勤務に変わったとか？

｢あああー！！わかんねええええ｣

今日で会えないまま1週間と3日が過ぎた。

Aさんに会えない帰り道はめちゃくちゃ長い。
やっぱりこの想いは届かないのかな...

｢なになになに？！｣

｢どうした？！｣

｢なんかとしみつがギター引きながら暴れてる｣

和室でギターしてる俺の横で、寝そべってゲームをしているりょうが俺の状況をみんなに説明してる。

｢そろそろ疲れたわ｣

｢としみつ久々に機嫌悪くね？｣

どうしたんだよー！っててつやかウザイくらい体を揺すぶってくる。

｢毎日歩いて帰ってるのにいつもの時間にAさんがいない｣

何故か黙り込むメンバーにこんなことを言った自分が少し恥ずかしくなって、てつやを叩いた。

｢いってえな！仕事が長引いてるとかじゃないの？｣

｢いや、それはない。毎日ちょっとずつ時間ずらしてるから｣

｢それは強いわ｣

｢連絡先とか交換してないの？｣

りょうがゲーム中のスマホの画面を見ながら聞いてくる。

それがあったらこんなに苦労してねえんだよなあ。

｢よし！毎日店の前で待ち伏せするしかねえ！！｣

てつやのひとことで、またやべえ事が始まったけど、しょうがねーなとか言いながらも、かなり乗り気だった。