恋した緑くんのお話。(仮)【東海オンエア】 (ページ22)

今日:9 hit、昨日:9 hit、合計:189,813 hit

＃21 俺が考えた作戦。ページ22

俺は、楽しみにしていたエビだけを丁寧に味わって食べてから、残りの海鮮丼を急いで口の中にかきこみ、てつやが床に広げたB紙を見に行った。

そこには
俺が話したことから推測されるいくつものパターンを網羅した恋愛作戦が事細かに書いてあった。

｢どうだ？！驚いただろ？！｣

｢お前相変わらず字が汚すぎな！｣

｢俺が書いたのはタイトルだけだからいいだろ？！｣

｢...んー...泣きそうになってくるな...｣

｢泣くな泣くな、よしよし｣

｢てつやー...｣

｢としみつー！！｣

俺が言いたいことだけ言い放って飛び出していったあと、みんなはこれを考えてくれてたってこと？

そんなの泣いちゃうじゃん。

｢でもとしみつ、こっからが勝負なんだよ｣

後から聞こえるのは虫さんの声。

｢今俺らがクリアしたのはこの赤マルがついている会う機会を作るっていうところだけだ。さらにとしみつはお客さんとしてまた会うことになったのでここに書いてある数個の作戦は消えることになる！｣

｢あ、これそうやってみるのか｣

矢印がたくさんあると思ったら、フローチャートみたいな感じだったんだな。

｢じゃあ俺が考えた作戦を実行する時だな！｣

｢てつやが考えた作戦？｣

てつやがドヤ顔で指さす先に書いてあったのは
帰る時に｢また会いに来ますね｣と彼女に言うことだった。

｢いや、それ言って何になんの？！｣

｢キュンとするかもしれんやん！｣

｢するかー...？？｣

｢ただひとつ問題がある｣

次に来たのはりょうで、これが今の最大の問題点かもしれないんだよなーと呟いた。

｢彼女がいつ店にいるかがわからない｣

｢そういえば！！！｣

店に行くきっかけさえあれば絶対会えると思っていた自分が恥ずかしい。