#02 ふたりで。 ページ3
確か、3軒目に行くか行かないかの話をしている時だった思う。
さっきのみかちゃんが、また俺の横に来たのは。
「やっぱりてっちゃんより、としみつくんの方がいいかな」
「なにが??」
言った通りとしくんではなかったことは覚えている。
「えー、としみつくんの方がかっこいいしー、可愛いところもあるしー、意外と男らしいところもありそうだしー」
今度は腕じゃなくて、指を絡めてきた。
キラキラで長すぎる爪が目に入って、生活しにくそうだなと思った。
「ねえ、このあと2人で抜け出さない?」
「えー...っと...」
どうしようかとてつやの方を見たけれど、
てつやはてつやで女の子達に囲まれて楽しそうだったし、酔ったあいつは面倒だから置いていっても問題ないと判断した。
「いいよ。どこいきたい?」
「んー、としみつくんも行きたいところかな?」
随分と、「も」が強調されたと思えば「行こう?」とまた上目遣い。
タイプじゃないとか思っててもね、意外とやられちゃうもんなのよ。
「行っちゃいますか!」
みかちゃんの手を取って、立ち上がり酔った頭で店を出た。
てつやに帰ると言い忘れたこともその時は考えなかった。
「としみつくんってノリいいんだねえー!また遊んでね!」
色々あったあと、別れる時にみかちゃんはそう言って去っていった。
ほら、やっぱりこれは遊びだ。
3時間ぶりくらいに携帯を開くと
てつやからの着信が3件あったけど、無視して家に帰った。
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作者名:Ma | 作成日時:2018年6月4日 20時