見た目で選んで何が悪い【女川太郎】

16.笑顔の君が好き ページ16

Aside


やっぱり…静は美人だし可愛いし


男の子は皆、静がいいよね。


あんまりネガティブな考え方はしたくない。


でもどうしても…外見で劣等感を感じてしまう。


「今日はあんまり遅くまでいれないから帰るね」


太郎くんと静に声をかけて


足早に出口へ向かった。


「Aちゃん！」


照島くんが追いかけてきた。


「照島くんはまだ見ていったら？ライブ、楽しいよ」


「はは、本当優しいよなぁAちゃん。
俺、ここ来たのAちゃんに会いたかっただけだし。
夜道は危ないし、送って行くよ」


「私なんて、静みたいに可愛くないから
誰も襲わないよ」


そういうと照島くんは驚いた顔をする。


……しまった。


つい、卑屈なことを言ってしまった。


太郎くんに失恋して……心が弱って


つい………。


「Aちゃんでも自分のことそんな風に思うことあるのなー！？」


照島くんは明るく笑ってそう言った。


「人の良さなんてそれぞれだろ？
静は確かに顔整ってるかもしれないけど…
俺はAちゃんの方が可愛いと思うし！
だーかーらー、自分のこと卑下するのはダメダメ！」


私、照島くんのことちょっと誤解していたかもしれないな。


私なんて、可愛くないし


男子にモテたことなんかないし


そんな女が、自分に靡かないから


面白がって口説いてるのかと思ってた……。


「照島くん、ありがとう」


「やーっぱ、Aちゃんは笑ってる方がいいよ！」


照島くんも満面の笑みだった。


「帰ろ！！送るから！」


「うん、じゃあ、お願いします！」

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